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モンティニーの狼男爵

モンティニーの狼男爵

モンティニーの狼男爵

作家
佐藤亜紀
出版社
朝日新聞出版
発売日
1995-07-01
ISBN
9784022568786
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モンティニーの狼男爵 / 感想・レビュー

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そうたそ

★★★★☆ フランスの田舎町のモンティニーに暮らす一人の男爵が妻を寝取られ狼に。帯に異色滑稽転身譚とあるが、まさにその言葉がピッタリ。最近の佐藤さんの作品はヨーロッパ史を全面に押し出したものが多く、やや人を選ぶ作品が多いと言っても過言ではないのだが、この作品は語り口こそ格式高いものの、内容はまさに上に言った通りのもので、読後感も非常に良く佐藤さんの作品の中では万人に薦めやすい。狼になった男爵目線で語られるというのがまた面白い。愛に真っ直ぐなあまり狼になってしまった男爵がまた純粋に思えてしまうのである。

2016/04/27

マサキチ黒

幸せだ。初期の佐藤さんの作品では格別に読みやすかろう物語は、モンティニーの狼男爵の話。作者は囁く。貴方の血を致死量まで責任をもって抜いてあげる。いまわの際には世界の真理を知るでしょう。よろしくて?私は「諾」か「御意」か答えに迷う。諦めろ。読書の快楽は麻薬並みなのだ(@_@)

2021/06/18

ちあきほ

女な嫉妬が蛇ならば、男は狼か。しかし大団円ならば、それはそれで

2012/06/11

彩也

狼狩りが得意で、激しく内気な男爵は、叔父の策略で持参金付妻と金銭結婚することになる。ところが男爵は彼女に一目惚れ。それが不幸の始まり、妻の一挙一動に一喜一憂する日々の果てに、男爵は彼女の不貞を知り、なんと狼へと変身するように。恋愛は、他人から見ると喜劇、を体現するかのように滑稽。しかも、当の狼男爵が語り手なのだから、これ以上信頼のおけない語り手もないわけで、虚実入り混じりと思わせる胡散臭さが楽しい。ところで、夫が狼で、唸ったり遠吠えしたりするだけなら、夫婦の問題の大部分は消えてなくなるよねぇ。

2011/09/14

kwy8791

なんだこれなんだこれすごいなぁ。寝取られ男が嫉妬に狂う話かと思いきやファンタジーに飛んで童話に降りる。独白調の文章は主人公の勘違いを微妙に疑わせるような叙述でラストまでの展開に(物理法則を除けば)無理が無い。これは読んでて面白かった。最後にネタばれ覚悟でひとつ付け加えると、途中「お、なんだ中世欧州版『山月記』か?」と思ったのは秘密だ

2010/12/21

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