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謎の母

謎の母

謎の母

作家
久世光彦
出版社
朝日新聞出版
発売日
1998-01-01
ISBN
9784022572202
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謎の母 / 感想・レビュー

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みっちゃん

太宰治と「女生徒」を模したような文体・話。弟の描写等、「斜陽」のような雰囲気もあるし、戦後2、3年の日本の風俗が、著者が長い間関わっていた「向田邦子ドラマスペシャル」を思い出させて妙に懐かしい。お正月とお盆の時期に放送されるドラマが、子供心に本当に楽しみだったなあ。

2015/06/24

太宰治が登場する版「女生徒」の世界。

2020/06/06

散歩いぬ

太宰の「女生徒」そのものの少女さくらと無頼派の小説家・朽木(=太宰)の奇妙な連帯関係を描いたもの。久世さんが得意とする、実在の人物にフィクションの登場人物を絡めた小説だ。「女生徒」に感応して小説家に手紙を出すさくら。傷つくことに敏感で、無頼に身をやつしてどうにか生きている朽木に家族を捨てた母を見、家に下宿している慎ましい娼婦を重ねる。自らと朽木を、聖母と傷ついたキリストに例えるほどに母性愛を深く信じ込むのは、朽木に投影された女性性の超克という意味での聖なる母性なのだろうなと思って読んだ。つづく

2012/05/01

アロゲロゲ

15歳の少女が、酒飲んで情けないため息をついてしまう小説家に母のように接してしまう様が少女の一人称で語られる小説。少女らしい等身大の葛藤や少女とは思えない鋭い視点で物事を見据える様子がきれいな文体で書かれていて、何度もため息をつきながら読んだ。

2014/02/28

夏子

主人公であるさくら、朽木、鮎朗、サチ子さん、そしてさくらの母が奇妙なな縁で結びつく不思議な話。戦争、というか戦後という単語がまだリアルに感じられた時代の話。

2013/11/24

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