読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

むずかしい愛―現代英米愛の小説集

むずかしい愛―現代英米愛の小説集

むずかしい愛―現代英米愛の小説集

作家
柴田元幸
畔柳和代
出版社
朝日新聞社
発売日
0000-00-00
ISBN
9784022574169
amazonで購入する

むずかしい愛―現代英米愛の小説集 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

キジネコ

アンソロジー、8編。6番目、ミルハウザーの物語が一番、性に合います。引きこもりの男が仕事もせずに理想の恋人を妄想し続けます。恋人と過ごす夜の架空の町を創造し恰も男は、その町の神であった筈が… その町からも男は置き去りにされる…という話。8編全部が「むずかしい愛」なんですが他人様の色恋、組み合わせの数だけ愛にもバリエーションがあるとすれば、難しいも簡単もあったもんやないと思うんですが、そこはそれ手練れの作家たちが紡ぐ物語、一筋縄ではない、ということ。読者まで煙に巻かれる「完璧な花嫁」欲望の奇形「ホテル」も。

2019/02/19

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

何というかわかりにくい愛情表現をする人々の短編集。お互いを愛する(独占とも言える)あまりにひとりが耳を焼きひとりが目をつぶすカップル。片方は文字を読んであげて片方はラジオや音楽について文章にして綴る。この様な愛があるのだろうか?。テレサへの手紙では30年あまり絶縁状態だった恋人に一通の手紙を出す、少し愚かで生真面目な所も無いではない男。手紙を出してから初めて彼女を本当に思慕しだす超純愛小説。一筋縄ではいかない愛の数々である。

2017/10/12

ミツ

柴田元幸版『変愛小説集』という感じか。互いの目と耳を潰したカップル、二人の女に愛を捧げた男、精緻な想像力によって創造される愛人、奉仕と食欲によって結ばれた男女、電子記憶の中にしか存在しない妻。奇妙で歪なそれらの物語は、グロテスクな愛のかたちをまざまざと浮かび上がらせる。幸福や暖かさとはほど遠く、むしろ割り切れないドロドロとした心の情念が静かに渦巻いているが、不思議と悪くない読後感。特に良かったのはトレヴァー『ピアノ調理師の妻たち』ミルハウザー『ロバート・ヘレンディーンの発明』クロウリー『雪』

2015/02/14

くさてる

恋愛小説のアンソロジー。ではあるけれど、いずれも一筋縄ではいかない、まさに「むずかしい」愛の物語。人生の真実とは、ときにとても残酷なものになるのだなと思わされた「ピアノ調律者の妻たち」、まさかそういう方向へ向かうとは、と驚かされた「ホテル」なども良かったけれど、電子媒体に記憶された存在となった亡き妻に何度もアクセスしにいく男の物語「雪」(ジョン・クロウリー)が、いちばん良かった。歪かもしれないけれど、まぎれもなく「愛」だと思う。

2015/05/13

愛玉子

ここに収められているのは、愛というよりもはや執着を描いた短編ばかりだ。しかし、その二つを厳密に分けることの出来る人間が、果たしているのだろうか。原文で繰り返し聞いている『私たちがやったこと』が収録されているのが嬉しい。私とあなた。私たちがやったこと。私たちがずっと一緒にいるために。誰にも言えない秘密のこと、誰にも理解してもらえないこと、そして取り返しのつかないこと。私たちがやったこと。

2010/03/26

感想・レビューをもっと見る