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深爪

深爪

深爪

作家
中山可穂
出版社
朝日新聞出版
発売日
2000-07-01
ISBN
9784022575272
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深爪 / 感想・レビュー

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久々に中山さんのテンポ良い作品を読んだ。レズビアン、夫と幼い息子がいるバイ、その夫(ノンケ)の三人の視点から描く三部構成のおかげで、同じ状況下においても当然ながらそれぞれ想うことの差があり、面白く読めた。特に夫である清の思考錯誤する様子の変化は哀れで切なく、彼の人間性は傍から見たら笑えるのかもだが憎めないしむしろ愛しく映る。読んでいるうち色々個人的に思い出すことがあって、妻である吹雪の自己中さがどうにも許せなくなったのだが、なつめの存在が清を今後うまく助けてくれそうでホッとしながら読み終えた。

2014/05/01

たおちゃん

中山可穂の恋愛小説が本当に本当に好きだ〜ッ……今作は他の作品に比べてかなり激しめの性描写で何度も休憩をはさみながら読んだけど、お互いに身体を求め合うことしかできない二人の熱情、みたいなものが丁寧にかつ熾烈に描写されていて、ただのエロ本になってないことが本当にすごい そして胸糞もわるい、、笑 父親視点でのエピソード、マツキヨに感情移入しすぎてめちゃくちゃ辛かった……基本的にヒロインが性格破綻者ばかりの中山可穂作品の中でも群を抜いてクソ女だな吹雪はよ!!!こんなにもクソ女なのに魅力を感じてしまうことが悔しい

2022/01/02

そうたそ

★★★★☆ 中山可穂さんの真骨頂ともいえるビアンもの。女性同士の恋愛の中に一人存在するマツキヨ。吹雪となつめ、そして吹雪が別の女に移ってからも、絶えず存在する女性同士の愛。なつめも、吹雪と別れてからも新たに相手を見つけている。三人の目線でそれぞれ描かれているのが非常に巧み。違う目線から見たものが本人の目線から見るとまた全く別のものに見えてきたりする。吹雪が勝手な人間に思えてきたのも、目線を変えればそうでもなくなったり、マツキヨが意外に人間臭かったりするのがわかったり。でもやっぱりマツキヨがなんか可哀相。

2013/05/27

みつ@---暗転。

**** ぐいぐいと松本家と、なつめの話にのめり込んだ。公務員の家庭人マツキヨ、その妻でバイセクシュアルの吹雪、二人の子どもの嵐、吹雪の不倫相手であるなつめ。なんと、吹雪の我儘なことか。これまでも様々な人物が描かれたが、これほどまで嫌悪感をもたらし、理解したくもないと思ったのは吹雪が初めてである。清々しいとすら思えなかった。彼女とは対象的に、マツキヨの変質していく様に、こころが痛む。彼がしあわせを掴めるように、同胞のなつめがフォローしてくれるはず。吹雪に囚われず、嵐を思いながらも、新しく、ありのままに。

2013/07/30

かにみそ

マツキヨの話がヤバイ。単なる聖人のようなひとの話かと思ったら、聖人のようなマツキヨにも一癖あって、そんな話の展開がやっぱり中山可穂だなあという感じで良かった。

2010/05/20

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