小説修業
小説修業 / 感想・レビュー
勝浩1958
この往復書簡のなかで保坂氏が、小島信夫の書くものは、「脳の中の現実の放り出し」なのだと思うと述べているのですが、私は最近の保坂氏の作品を読むと正に脳の中の現実がとめどもなく流れ出てくるような印象を持ちました。小説の多くは起承転結があることで読者は安心するのでしょうが、お二人の作品は明確なストーリーがあるわけでなく、時制は時として行ったり来たりしますし、なんとなく落ち着かない折があるのですが、私たちの日常生活も意外とそのようなものではないでしょうか。
2015/12/23
つーさま
往復書簡を通して<小説とは何か>に迫ろうとする一冊。保坂の言うことは読んでいてふむふむと思うのだけど、小島信夫のそれは小説と同様一回読んだだけじゃ頭の中に?が並ぶ。やはりこの人はネジが何本か抜けてるか、もしくは逆に多いかのどちらかな気がする。保坂がまともだけによりズレが目立つ。もちろんそのズレこそが彼を小島信夫たらしめる所以であり、同時に彼に対する最高の褒め言葉である。とにもかくにも内容盛り沢山なので是非。特に二人が敬愛するカフカやリアリティの話は興味深く、付箋を貼る手もページをめくる手も止まらなかった。
2013/05/26
いのふみ
小島信夫の発言や存在感が異次元。話がすれ違ったり、はぐらかされたりしだすと面白くなる。
2017/08/02
袖崎いたる
リアリティについて古びぬ議論がなされてる。次の小説についての話。
2019/04/26
名前氏
面白い本だった。面白い小説もっと読みたくなるし、視界がバーっと開ける感じ。チェーホフと小島信夫読んでみようと思った。世界は広いし広がっていると感じられるだけでも希望のようなものが読者に与えられる。
2020/08/08
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