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ゼラニウム

ゼラニウム

ゼラニウム

作家
堀江敏幸
出版社
朝日新聞販売部
発売日
2002-01-01
ISBN
9784022577023
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ゼラニウム / 感想・レビュー

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naginoha

図書館の除籍本から拾ってきた本です。舞台はほぼフランス、フランス語を得意とする日本人男性と、フランス人女性との関係を描く6編の短編。美しい表現、異国情緒、ふとしたきっかけに関わりを持つ異国の女性。なんかこうなると性的な方向にいっちゃうのかなと思うけど、そうはならない。その辺はあくまで冷静なので、村上春樹みたいな美しい表現だけど下品にはならない(ファンの方すいません💦)。その辺好感が持てるし、格調が保たれています。ちょっぴりユーモアもあってクセになりそう。他の作品も読んでみようかな。4/5

2021/03/26

よこたん

“さくらんぼの味がひときわ濃かったり、他のどこよりも甘いと思ったとき、その下になにかが埋まっていると考えた方が理にかなっている、と。” 淡い色彩をまとってさらさらと細長く、水のように流れていく、堀江さんの文章はいつもながら涼やかで、暑いさなかに渇いた心身をそっと潤してくれるようだ。私がいる場所からは遠く離れた場所で、ちょっと奔放なくっきりとした女性に翻弄される彼の戸惑いを、そっと双眼鏡で眺めているような気分で読んだ。「薔薇のある墓地」「さくらんぼのある家」「砂の森」が好き。翻訳小説を読んでいるみたいだな。

2018/07/15

クリママ

「表題作含む6編の連作短編。うち5編はパリに住む若い、著者かと思われる男性の視線。日常の中の非日常。長い一文の情景描写は鋭角的で難しく、どこまで読めているのだろうと思いつつも、その中には心情も投影されているように感じる。物語は、深い後悔であったり、ささやかな救いであったり、滑稽なじれったさであったり。「なずな」や「いつか王子駅で」で描かれる穏やかな日々でではなくても、この魅力的な作品を再読したいと思う。

2021/11/07

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

短篇集。主人公の日本人男性、パリで、日本で、出会うフランス人女性たち……。帯に書かれた「静謐なユーモア」という言葉が、ぴったり。それぞれの短編の中に出て来る小説も、つい読んでみたくなってしまう。

2015/01/10

あつひめ

日本だから・・・外国だから・・・と場所で物語が始まるのではなく、どの場所にも似合う物語があるんだなぁ・・・と感じた。えー???なになに???と真剣に読み進めたときの落ちが・・・ふぅ~・・・と力が抜けてしまうようなものだったり・・・でも、そこに赤い唇がニヤリと片端をあげている。ただじゃ終わらせない作品集だ・・・と思いました。ちょっとアチコチ旅行した気分にも浸れました。

2010/10/08

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