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はじまりの島

はじまりの島

はじまりの島

作家
柳広司
出版社
朝日新聞出版
発売日
2002-06-01
ISBN
9784022577580
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ジャンル

はじまりの島 / 感想・レビュー

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まこみん

1835年、若きダーウィンはイギリス帆船ビーグル号でガラパゴスの小島に立ち寄り連続殺人事件が起こる。上陸したのは彼の他に艦長、宣教師、士官候補、画家、料理人、フエゴ人達。 ダーウィンの大小様々な発見で嬉々とした姿が微笑ましい。当時は神への冒涜とされた進化論の思考。その考察がされる程、この殺人犯は自らの犯行に正当性を確信してしまう。文明とは、宗教とは。キリスト教が一番優れた宗教で未開の地に西欧文化を与える事が正しい文明人の道との考えは当時真っ当なものだったのだろう。完全な生き物は今もこれからも存在しない。

2016/10/29

みっぴー

一気読み確実の歴史ミステリ。探偵役はなんと偉大なる英国人ベスト100中の4位にランクインしているダーウィン(若くてイケメン)です。『種の起源』なんて未読でOK。クローズドサークルの舞台はガラパゴス諸島。柳さんは気持ちの良い文章を書くだけでなく、ストーリー展開や雰囲気作り、全てにおいて高水準の作家さんだと思います。ダーウィンという人物や島の特徴を上手く利用したミステリ、設定を生かす作品とはこのような作品を言うのでしょう。とても満足です!

2016/11/11

Nak34

なるほど、この殺人事件は、ダーウィンだし、ガラパゴスだわ。地球上の全ての生物が繋がっていて、過去からも綿々と連なっていることは面白い。しかも、この瞬間にも、揺れ動き、変化している。価値観の変化もそうかな。なんかテレビドラマを1本見たって感じです。ぐーどっ。

2011/04/13

あおさわ

冒険船ビーグル号に博物学者として乗り込んだ若きチャールズ・ダーウィン。彼を含めた船長、宣教師、料理人、画家、兵士たちがガラパゴス諸島に訪れた時、殺人事件が起こる。ダーウィンを探偵役にしたミステリー。殺人事件自体はオーソドックスですが、キリスト教的価値観である「神がすべてをつくりたもうた」という思想と原住民であったフエゴ人との摩擦や、ダーウィンが進化は環境や生物が起こしうるものであり、この瞬間もすべては揺れ動いているという(或る意味当たり前の)結論に至るのが面白かったです。諸行無常。

2012/05/16

紙魚

ある画家の視点から語られる“はじまりの島”ガラパゴスでの怪奇な体験とチャールズ・ダーウィンとの冒険回顧録。 例によって(?)凡人の語り部、天才型の探偵役、イケメンとそれを慕う少年、夢と現実が交錯する描写の柳広司節全開で、これこれ〜!となった。私にとっての読む大麻というか、彼の描きだす世界観が絶対のツボという安心感がある。 作中ではまあ当然のテーマとして生命だの神だの、しゃらくせえ問いと見解が滔々と語られる訳だが、美しい解のまま…綺麗事で終わらせないところが流石、安心した。 作中の小ネタはホントなのかな?

2019/10/04

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