シンセミア(上)
シンセミア(上) / 感想・レビュー
yoshida
山形県東根市神町。作者である阿部和重氏の出身地で起きるノワール。悪人だらけの街で悪人が悪事を起こす。このカオスな世界観は阿部和重氏でなければ描けないだろう。土建屋とヤクザと政治家。そこにパン屋。田舎を牛耳る勢力の争い。まともな人間を探すのが大変なほど。連続殺人に盗撮、脅し。あまりにも多くの伏線を下巻でどう回収するのか。日常に潜む、いや日常に在りすぎる暴力と背徳。好みは別れるかもしれないが、私はのめり込む様に読了した。もはや20年近く前の作品ではあるが、実に読ませる。下巻では加速度的に物語が進捗するだろう。
2019/09/09
とも
あまり好きでない表現が続いて、読むのをやめようと思った。 むかし学生時代にハマった、ツインピークスっぽい雰囲気があってなんとか読んでみた。 下巻に期待して読んでみよう。
2021/09/12
けい
グランドフィナーレ、ピストルズは既読。この際シンセミアも読んで神町の世界を堪能しようと思いこちらへ。ある程度覚悟はしていたものの、地味にキツイ内容にもかかわらず、話の内容と文章が面白いため入り込んで読んでしまい、精神的に疲弊。少しずつ間をあけながら読み進めるはめに、やっと上巻、下巻まで持ちこたえられるかちょっと不安。でも面白い。
2014/04/14
らぱん
主要登場人物が60人で上下巻併せて1000頁の壮大な群像劇はかなりパワフルだ。舞台は進駐軍の撤退後に自衛隊の基地を抱えた小さな町で、3代前の歴史から物語は始まる。登場人物はほとんど全員悪党なのだが、パルプノワールらしくどこか滑稽だ。「これが悪です」と提示されるものはバラエティに富んでおり、法に触れるものから倫理に悖るものまで様々だが、基本的に相当ゲスでピカレスク的ではない。冒頭で大きな3つの事件があり、その謎を持ち越したまま上巻は終わった。ほぼ駒は出揃ったところだろうか。このまま下巻へ突入。
2019/03/29
マリリン
舞台は神町。内容は、神とは程遠い感がある噂と覗きと裏社会、というより土地柄の好ましくない部分に焦点がある。読みやすいけれど、読み味が悪い。味が悪いのは登場人物のキャラのせいか。下巻を読もうか迷う。表紙の色彩は好みだが内容とのアンバランスが妙な味を醸し出す。給食のパンを思い出した。なるほどそういう経緯があったのかと。登場人物とページ数がやたらに多い。登場人物は覚えやすいものの下巻も同じ位のページ数があると思うと余計に迷う。どのように完結させるのかという興味はあるのだが。
2019/08/18
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