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茶の話: 茶事遍路 (朝日文庫 ち 2-7)

茶の話: 茶事遍路 (朝日文庫 ち 2-7)

茶の話: 茶事遍路 (朝日文庫 ち 2-7)

作家
陳舜臣
出版社
朝日新聞出版
発売日
1992-04-01
ISBN
9784022607058
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茶の話: 茶事遍路 (朝日文庫 ち 2-7) / 感想・レビュー

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クラムボン

ほぼ全編に渡り中国の茶の歴史について、陳さんが語る。喫茶の習慣は遥か紀元前からあるらしいが、茶の文化を体系化したのは唐代の陸羽、その著作が「茶経」とのこと。そして茶という言葉も、中国の大部分ではチャ(cha)と発音され、福建南部と台湾の閩南(ミンナン)方言ではテェ(te)…これが英語のティ(tea)の元らしいが、この2種類の言葉が他所の国の言葉に派生されたようだ。日本もお茶の国だが、歴史も文化も政治への影響も何もかも桁違いに感じる。ただ日本の茶道のみは本場中国でも、ある種羨望の眼差しで見つめているようだ。

2023/02/05

中国の茶の歴史、茶に纏わる話を紹介した内容。プーアル茶はプーアル地方産だからプーアル茶と呼ぶのは言われればそうだと納得なのだが自分的には再発見。色々と再認識させられた。随所に当時の文、詩が紹介されているのだが、日本語訳のみなのが残念。原文も併記してあると嬉しかった。

2017/11/28

そうぺい

再読。自家発掘、参考本。陳舜臣さんの博学知識エッセイ集。僕にとっては重宝と導きの本ですね。茶は茶の木以外の飲み物を含めると、水に次いで世界中のあらゆる場所で飲まれ、文化があり。その源流は、茶の木から茶を発見し、研鑽した中国にあり、陸羽に象徴されます。日本で茶のことを話題にすると、どうしても茶道~利休からの紐づけて終わりがちですが。現代、茶道なんてねずみ講くらいの価値と将来性しかないですが、世界に眼を向けるとその歴史とともに大変面白いんですよね。茶の広がり、アヘン戦争とボストン茶会事件などなど。良著です。

2019/06/18

金監禾重

茶が中国文人に愛されたエピソードが長いがあまり頭に残っていない。興味深かったのは、茶が世界を動かしたこと。茶は生存に必要ないのに巨大な需要となり、陸運・海運を発達させ、文化接触を喚起する。大抵は中華王朝からの輸出超過となる。輸入側は、安定して手に入らないとなると戦争にさえなる。北方遊牧民族国に対しては重要な贈り物・輸出品となった。イギリスは茶を買う代価に困ってアヘンを持ち込み、アヘン戦争につながった。茶にかけられた税はアメリカ独立戦争の契機となった。

2021/12/20

いっち〜

中国のお茶の歴史の本。日本にも部分的に触れられている。日本でお茶と言うと茶道くらいしかイメージがなかったけど、中国では皇帝への献上品だったり、高品質のものを開発する競争が激化して財政に打撃を与えたり、官僚の出世にも絡んだり、茶葉を煎餅状や球状にしたものもあったり、阿片戦争にも絡んでいたりと奥が深かった。ただ、陸羽のお茶=謙徳のものとして過度に華美なお茶を好まない考えには日本との共通点を感じた。予想以上に濃い内容だったけど、お茶や歴史に興味がない人が読むには少し大変かもしれない(当たり前か)

2017/12/30

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