パテカトルの万脳薬 脳はなにげに不公平 (朝日文庫)
「パテカトルの万脳薬 脳はなにげに不公平 (朝日文庫)」のおすすめレビュー
読めば誰かに教えたくなる!? 脳科学者による脳の最新知見
『パテカトルの万能薬 脳はなにげに不公平』(池谷裕二/朝日新聞出版)
不思議な題名だったので、思わず衝動買いしてしまいました。『パテカトルの万能薬 脳はなにげに不公平』(池谷裕二/朝日新聞出版)という本です。本書は東京大学薬学部・教授の人気の脳研究者が「もっとも気合いを入れて書き続けている」という、雑誌の連載エッセイを文庫化したものです。エッセイはすべて読み切りなので、途中から読んでも十分楽しめます。
著者の解説が加えられた最新の脳科学の知見はどれも興味深いものばかり。ここでどんなテーマのエッセイがあるのか少し見てみましょう。「不平等な世界のほうが安定する」「人の心を動かす“言葉”とは」「IQと遺伝子の複雑な関係」「人が死んだら心はどうなる」「生命はどうやって誕生するか」…。
これらは社会学や心理学のテーマとしても扱われるものです。そうしたテーマを脳科学的な知見から見るとどうなるかを知れば、これまでとは違ったものの見方ができるようになるかもしれません。
また、この本にはすでに発表されたエッセイを文庫化するにあたって、文庫版の特別対談も収録されてい…
2019/7/11
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パテカトルの万脳薬 脳はなにげに不公平 (朝日文庫) / 感想・レビュー
5 よういち
脳科学者の池谷裕二が週刊朝日で連載したコラムを書籍化。◆とにかく面白い、脳に関するよもやま話。これだけ身近にありながら、未だに脳については解明できていないと事の方が多いという。その謎に満ちた脳の世界は深くて面白い。◆個々のシナプスには100倍もの強弱差があって、不公平にできている。そして強いシナプスは一握りで大多数は弱いシナブス。この不公平な分布によって脳の動作は安定するらしい。『平等さを突き詰めると不平等になる』のは自然のプロセスとか。/覚える時は右手、思い出すとき左手を握ると良い。/脳細胞は減らない。
2020/02/13
ふう
自分の脳が委縮しているのでは、と感じることの多いこの頃^^;。少しでも救いがあればいいなと思って読んでみました。共感、感心、納得したり、反対に関心がなくてスルーしたりの62項目。脳は不思議でまだまだ解明されないことがたくさんあるようですが、体という器の中に入っていて、遺伝や経験等の影響も受けるので、脳だけの能力を発揮するのは難しそうです。不公平かどうかはよくわかりませんでしたが、脳は何気におもしろい、ということは分かりました。わたしの場合、一番大切なことは「リフレッシュ」かな。まずは寝ること。
2019/06/30
やいっち
最新の脳科学を簡潔に知る手助けにはなったかな。だからといって、我輩が脳科学や、まして脳や心への理解が深まった訳じゃない。ところで脳細胞は、3歳までに間引きされ、それ以降はほとんど死なないって知見は大事。脳細胞が減っちゃったから、なんて言い訳は通用しない。正直に、使ってきませんでしたというべきみたい。
2019/06/23
トンちゃん
池谷先生が週刊朝日に寄稿しているコラム集。 脳科学の雑学が詰まっていて読んでいてワクワクしてしまいます♪ 「手を握るだけで記憶力は上がる」「リフレッシュして記憶力アップ」「ゲームがもたらす良い効能」が面白かった。ここには書き出せませんが、他のコラムも面白かったです。コラムなので実用性まではないのですが、近い将来ここに書かれてあることができる日も来るのかも。 ハエや魚に人間の薬が効いちゃうそうですよ笑 外国語を話せるようになるかに遺伝的要因があるらしいとのことで…きっと私は遺伝的に向いてないんだろうな笑
2020/05/16
chiseiok
池谷作品は大好物、既に何冊か読んでます。復習を兼ねて(当然新ネタもあるのだろうけれど)主に就寝時や隙間時間にパラパラと徒然なるままに読了。今回は対談や講義を書籍化した従来の作品ほどワクワクしなかったけれど、読む睡眠導入剤としては程良い塩梅かも。そもそもが週刊誌連載の軽めの科学エッセイのまとめとの事。冒頭"はじめに"のところで、気軽さ気楽さ、敷居の低さが主旨と作者も仰ってます。ただしP199『直感と理論は相反しない』のコラム冒頭のクイズ三問、これイカしてます。マジ簡単なクイズなんでっ…て職場で試したいなぁ。
2019/10/06
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