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ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書)

ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書)

ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書)

作家
帚木蓬生
出版社
朝日新聞出版
発売日
2017-04-10
ISBN
9784022630582
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ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書) / 感想・レビュー

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ehirano1

「ネガティヴ・ケイパビリティ」という言葉を初めて知りました。ネガティヴを否定するのではなく、それも人生の一つだと受け入れ、そしてその何ともならないもどかしい中(懐疑、不思議、不確かさ)に居ることが出来る能力があるということを知ることが出来ただけでも僥倖でした。これだから読書はたまりません!読書万歳!!!

2021/11/10

けんとまん1007

人は、どうしても答えを求めたがる生き物で、それは、人間の脳がそういう志向性があるからだということ。答えを求め、安心するということだろうと思う。ということは、安易に答えにしてしまう可能性も高い。果たして、それはいいのだろうか。そこを、我慢することで、より深みのあるものにたどり着ける。なるほどと思う。今の時代は、とにかくスピードを優先し、結果として短期的視点のものとなり、あとのことを考えない風潮が強い。ここで述べられている視点は、今後、ますます重要になる。

2020/05/28

徒花

おもしろかった。私たちはついつい問題が発生したときに「解決策」を模索したくなるけれど、世の中には解決できない問題もあるし、解決にすごく時間のかかる問題もあるから、そういう問題に直面してしまったときにはそれらを解決しようとするのではなく、「とりあえず耐える力(ネガティブ・ケイパビリティ)」が必要なんだよね……ということを主張する本。問題を解決しようとしない姿勢の重要性はありそうでなかった概念で興味深い。もちろん、どれだけ汎用性があるかはわからないし、どうすればその力を身に着けられるかはわからないけど。

2021/05/07

kaoru

精神科医である著者は「どうにも答えの出ない事態」に耐える力として「ネガティブ・ケイパビリティ」を提唱しキーツや医師ビオンを紹介、自らのクリニックの患者の例をも挙げる。問題設定が可能で回答がすぐに出る事柄は人生のごく一部で「残りの大部分は、わけがわからないまま、興味や尊敬を抱いて生涯かけて何かを掴み取る」のだと言う。本書を読んで漱石の『道草』の「世の中は片付かないことばかり」という一節を思い出した。人間には「片付かないこと」に耐える力こそ求められ、教育の現場にもその要素を取り入れるべきだという指摘は鋭い。⇒

2021/06/12

ちゃちゃ

日々の暮らしや仕事の中で、私たちは容易に解決できない深刻な問題に度々直面する。先が見えずに苦しくて辛くて逃げ出したいと思うことがある。それでも、時には誰かに励まされ支えられながら、ずしりと重い荷物を抱えて歩く。歩いてゆくと少しずつ風景が変わり見えてくるものがある。そしてふと抱えた荷物が軽くなったことに気づく。ネガティブ・ケイパビリティー、答えを急がず持ちこたえていく力。何事も効率を最優先し迅速な問題解決を望む社会にあって、「宙ぶらりんを耐え抜く力」こそが生きる力となる。深く共感しながらの読書となった。

2019/01/22

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