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百年の預言 下 (朝日文庫 た 32-3)

百年の預言 下 (朝日文庫 た 32-3)

百年の預言 下 (朝日文庫 た 32-3)

作家
高樹のぶ子
出版社
朝日新聞出版
発売日
2002-03-01
ISBN
9784022642899
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百年の預言 下 (朝日文庫 た 32-3) / 感想・レビュー

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エドワード

「生の快楽は死の快楽と裏表かも知れないね」と真賀木が言う。ウィーンを旅した時、西欧の都市とは明らかに異なる空気を感じた。音楽の都として今も栄えているこの街は一度死んだ都市だ。クリムトの絵の、強烈な官能と死のイメージがこの物語にぴったり来すぎて恐い。ウィーンはまた東欧への扉でもある。チャウシェスク大統領が射殺された映像は今でも覚えている。ルーマニア人は確かにローマ人の末裔だ。たぎる情熱、音楽を愛する心。音楽を暗号として電波に乗せてメッセージを送る。これほど東欧らしい革命の戦略はない。

2013/11/12

とおる

30年程前に天満敦子さんのリサイタルで弾いてくれたバラーダのトークで「詳しい事は高樹のぶ子さんに聞いてください。」という話が耳にこびりついていた。今度高樹さんの「伊勢物語」を読むにあたっての予備知識としてジャンルが大きく違うものの、この本を手にした。恋愛(官能)小説と音楽小説と近代歴史小説とハードボイルドをミックスした趣きだが、ずっしりと心に残った。特に高樹さんの音楽の専門知識はすごいなと思った。でも天満敦子さんは、走馬充子とは全くイメージが違うぞ。彼女からヒントは得たかもしれないがモデルというのは?

2021/01/10

kinshirinshi

時代設定は異なるが、東欧の政治的混乱の中へ自ら飛び込んでいった日本人外交官の物語としては、須賀しのぶさんの『また、桜の国で』を彷彿とさせる。どちらもよく書けているが、15年早く書かれたこちらの方が古くさい感じは否めない。特に昭和型のヒロインが鼻につく。「わたし、頭を使うのは苦手」と言って、政治状況には興味を示さず、暗号を解く手助けもせず、ただ日本から時々ルーマニアにやってきて、男性の登場人物たちをかき回していくだけという印象だった。もう少し颯爽としたヒロインにできなかったものか。

2019/12/19

還暦院erk

図書館本。他のことをほったらかして一気読み。パイプオルガンのシーンでは音が聞こえてくるようで陶然としてしまった。ルーマニア革命って約25年前のことなのか…。

2014/05/26

ふじろう

天満敦子さんモデルなのに性描写すごいけどいいのって感じ。舞台背景はノンフィクションだけど、中味はフィクションなのかな、表現がいいね。最高の鑑賞方法は創作することだとか、他にもたくさん感じる表現が出てきます。

2013/04/06

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