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マリー・アントワネットの遺言 (朝日文庫 ふ 22-1)

マリー・アントワネットの遺言 (朝日文庫 ふ 22-1)

マリー・アントワネットの遺言 (朝日文庫 ふ 22-1)

作家
藤本ひとみ
出版社
朝日新聞出版
発売日
2002-10-01
ISBN
9784022642998
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マリー・アントワネットの遺言 (朝日文庫 ふ 22-1) / 感想・レビュー

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湖都

マリー・アントワネットの裁判で弁護士を務めた男が遺した手記と、その中で語られるルイ17世の秘密を巡る物語。舞台はナポレオンの百日天下直前。主要人物は、ルイ16世夫婦の遺児でありいまや中年女性となったマリー・テレーズと、したたかに激動の時代を生き抜いてきた生臭坊主のルナールと、前述の弁護士の娘で娼婦に堕ちたカロリーヌ。正直なところ、最後まで引きずったルイ17世の秘密は安直で捻りがないし、ラストシーンも陳腐極まりないもの。しかし、有罪が確定している王妃の弁護を引き受けた男の、芯のある生き方はかっこよかった。

2020/08/15

さくらんぼ(桜さんと呼んでね)

マリー・アントワネット関連で購入した本。片道15分の電車内で読むには性描写が際どかった。激動の時代を生き抜いた助任司祭ルナールの元へ、弁護士クードレーの娘カロリーヌが、父が遺したという回想録を持って訪ねてくる。この回想録をマダム(マリー・テレーズ)に献上したいという。そこには秘密の遺言が書かれているというのだった。回想録に書かれているマリー・アントワネットとクードレー、それを翻訳していくルナール、カロリーヌ、マダム、それぞれが自分自身と相手に向き合っていく。このあとがすごく気になった。

2023/04/21

りゃ

なんて力強い小説だろうと思った。登場人物も、それぞれがたどり着いた結末も。想像以上の満足感でした。それにしても人物描写と言葉のかけひきは、最高です。

2012/06/10

ひかり

マリーアントワネットと彼女の弁護士クードレーの話しがとても良かった。彼女の側について、これほど懸命に戦ってくれた人がいたなんて感動した。最初は立場は違ってもだんだん連帯感が生まれ(もちろん相容れない部分もあるけれど)、最後の最後まで戦い抜いた。それにしても、独房の中にいてさえ彼女の魂は生き生きと輝いていく。ここにこそマリーアントワネットとい人の魅力があるように思えた。

2015/03/31

shinobu

アントワネットの遺言を通じて、娘のマリー・テレーズと落ちぶれた聖職者とのやりとりを縦軸に、革命時期や当時の歴史的背景が描かれている。主人公のルナールに今ひとつ感情移入しづらく、むしろマリー・テレーズのほうが魅力的に描けていると思う。彼女とルナールとのロマンスも、描写が少々淡泊。弁護士クードレーとアントワネットの心の交流の方が印象的だった。細かい部分はあるが、一気にぐいぐい読ませる筆力と歴史的背景の描写はさすが。

2012/04/02

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