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玉蘭 (朝日文庫)

玉蘭 (朝日文庫)

玉蘭 (朝日文庫)

作家
桐野夏生
出版社
朝日新聞社
発売日
2004-02-14
ISBN
9784022643261
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玉蘭 (朝日文庫) / 感想・レビュー

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キムチ27

異なる時のカプセルで懸命に、刹那に、妖しく生きた男と女…筆者が読み手を最後にいざなった情景は?執筆は20年ほど前なのに、「今」的精神論と繋がる。生きるとは、長寿とは、肉体の結びつきとは…。質に身も心も焦がした浪子、結核と言う病の影。医者松本、彼にとって女を愛する、抱くとは何だったのか。想いがすれ違う有子。かの時代の上海のシーンは映画のよう。ラストは序盤で散りばめた伏線をしなやかにたおやかに畳みあげていく…特に松本が見る白日夢の幻想がドラマ性を高めていた。そして最後の一捻り…よかった!

2015/05/28

mazda

良書です。読み始めは一体何を書いているのかわかりませんでしたが、途中から点がつながり始めて、筋書きが理解できてきました。大恋愛に生きた二人の女性が、時空を超えてシンクロする様がとても興味深く、またそこに絡む男性のどこか頼りがいのない雰囲気が、この作品をとてもいい方向に導いていると思います。桐野さんの本は、どれも外れがなくてすごいと思います。

2015/05/15

yumiha

木蓮に似た花、玉蘭。クチナシのような強い芳香を放つ。その花が70年の時空を越えたタイムスリップへ導く。作者の祖母の弟の質(ただし)の残した日記「トラブル」をもとに紡ぎ出された小説。有子も浪子も、その恋人たちの視点からも描かれると、厚みを増す。そうだったんかあと思う。「新しい世界で新しい生活が始まるなんて幻想だ。これまでのすべてを引きずって、あんたの世界の最果ての場所に来たんだ」という言葉を心に留めておこう。

2017/03/10

カッパ

【◯】【概要】恋愛小説。過去の恋、今の恋。上海という場所を舞台に交錯する【感想】主人公の有子の苦しさがわかりました。田舎からでてきて頑張るけどうまくいかない。言葉で理解しないと前にすすめない。

2018/04/08

おぎにゃん

思った通り、ドロドロだった…現代の上海と、昭和初期の広東・上海を舞台に繰り広げられる恋愛物語…とは言え、ロマンの欠片もない。あるのは、新しい自分を見つけようとあがき続ける人間たちの、どこまでもリアルで壮絶な生と性のみである。本当の幸せはどこにあるのか。それとも、存在し得ないのか?…そんな救いのない物語が、ラスト数行でファンタジーへと変貌する…見事です。

2014/05/02

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