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貴婦人Aの蘇生 (朝日文庫)

貴婦人Aの蘇生 (朝日文庫)

貴婦人Aの蘇生 (朝日文庫)

作家
小川洋子
出版社
朝日新聞社
発売日
2005-12-01
ISBN
9784022643551
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貴婦人Aの蘇生 (朝日文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

これまでに読んだ小川洋子さんの作品とは違って、これは小説世界が非日常に紛れ込んで行かない物語。ここでは終始一貫して日常の中で展開し、終息してゆく。もちろん、日常の次元にあるとはいえ、通常のそれとは様々な意味において違ってはいるが。いつもながらという点で言えば、ここでも独特の物語世界を構成して行くのが実に巧みだ。ただし、この小説に限って言えば、やや作り物めいた感がなくもない。そしてそれは、怪しげな登場人物のオハラや、さらには表題となっている貴婦人Aそのものに付き纏うフェイク感にも通じるものなのだ。

2013/07/18

ちなぽむ@ゆるりと復活

"普通"から外れてしまった人たちをなんとフラットに愛せるのかと小川洋子さんの作品を読むといつも思う。自分にとっての損得だけを考える生き方は、賢いようでいて何処かさもしい。でも自分と違う価値観の人を正しく見極めるのはとても難しい。私はきっと伯母さんの出自の真偽を見極めたくなるだろう糾弾したくなるだろう。嘘をついていたと断罪して。何様なんだろう。 彼女の心を守る手段だと、哀れみではなくやさしい気持ちになれるかな。難しいな。でもなりたいな。

2020/11/30

優希

生と死、「剥き出しのもの」と「隠されたもの」に満ちていました。剥製に囲まれて穏やかに生活する貴婦人。刺繍を刺すこの貴婦人は果たして本当にロマノフ王朝の生き残りなのかはずっと明かされません。このミステリアスさが失われた世界と共に美しく描かれていました。静かにこの世に取り残された物と過ごす不思議な空気は貴婦人がAだからなのでしょうか。普通とは思えない、日常とかけ離れた空気が独特の音楽を奏でているような作品でした。衝撃の最後も著者らしさを感じます。

2015/11/28

藤井寛子

伯父さんとお父さんが死んでから伯母さんと暮らし始める女の人の物語。全く関係ないけど、小川洋子さん倉敷市にすんでたんだ!

2015/11/29

風眠

グロテスクで強迫観念的で、けれども目には見えない透明な何かがひっそりと結晶化し、ゆらりと輝き出すような美しさ。小川洋子の描く人物には、特別な何かを秘めたような謎めいたところがある。亡き夫が遺した膨大な数の剥製に、夜毎「A」のイニシャルを刺繍し続けるユーリ伯母さん。彼女はロマノフ王朝最後の生き残り、アナスタシア皇女なのかもしれない。雑誌やテレビで紹介されるごとに皇女然としていく彼女の振る舞いは、優雅で愛らしく、嘘でも本当でも構わないという魅力に溢れている。謎めいているからこそ美しい。余韻に心奪われる物語。

2014/10/04

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