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しろいろの街の、その骨の体温の (朝日文庫)

しろいろの街の、その骨の体温の (朝日文庫)

しろいろの街の、その骨の体温の (朝日文庫)

作家
村田沙耶香
出版社
朝日新聞出版
発売日
2015-07-07
ISBN
9784022647849
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「しろいろの街の、その骨の体温の (朝日文庫)」のおすすめレビュー

開発の止まった白い街で、大人になる少女――。生々しく息苦しい青春小説

『しろいろの街の、その骨の体温の』(村田沙耶香/朝日新聞出版)

「大人になるって、どういうこと?」

 子どもに聞かれても、答えるのは難しい質問ではないだろうか。

『しろいろの街の、その骨の体温の』(村田沙耶香/朝日新聞出版)は、その答えの一端をのぞかせてくれる、思春期の少女の濃厚な心情を紡いだ小説である。

 開発が頓挫して、「墓場」のようになった新興住宅地に住む中学生の結佳(ゆか)は、クラスで「下位」の存在。地味で目立たない女子グループに属し、自分のことを(おそらく、実際はそうでもないのに)かなりのブスだと思っており、他人に迎合して学校生活を送っている。

「空気を読んで」生きることが「正しい」のだと思い込み、結佳はクラスのカースト制度に従順に従い、そこからはみ出すことを恐れていた。

 しかし心の中では、そういった教室という小さな世界を見下してもおり、「皆の価値観をバカにしながら、その価値観で裁かれること」に怯えるという、屈折した気持ちを抱いている。

 結佳の秘密は、小学校からの知り合いで、カースト上位の人気男子生徒、伊吹を「おもちゃにしてること」。大人の真似…

2018/10/19

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しろいろの街の、その骨の体温の (朝日文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

小説の舞台に選ばれたのは、都市の郊外から、そのさらに先に延伸したところに造成されつつあるニュータウン。そこは結佳を拒絶するかのごとく、何もかもが真新しい「しろいろの街」だ。しかも、資金が続かなくなったために、一途中で開発が一旦放棄されたがために一層出口を失ったかのような。この町が結佳の喩であるなら、そこには希望が仄見える。しかし、物語の終盤にいたるまで結佳をはじめ、女生徒たちは厳然たるスクールカーストに絡みとられていて、身動きができないほどだ。それがヒリヒリとするほどの強いリアリティを持って描かれる。→

2018/06/30

優希

第26回三島由紀夫文学賞受賞作。静かな衝撃が体の中を貫きました。女の子から少女へと移り変わる小学生から中学生という時間は、思春期ならではの閉塞感を感じる時期なのだと思います。自分の想いを嫌い、それを誰かにぶつけること。成鳥と共に感じる鬱屈した感情。そんな姿を丁寧に描くことで、同じ時間を共有しているような、追体験しているような感覚に陥りました。ヒリヒリした傷と孤独の中の価値観が美しく残酷に輝いているのを感じます。

2017/08/09

かみぶくろ

繊細すぎる王道14歳小説。引き込まれて貪るように読んだ。なんのことはない、この世の不条理や人間の差別意識、弱肉強食の真理は全て中学校の教室に既に陳列されているじゃないか。「美しい青春」なんて言葉は、傷ついたものが多かったからこそ盛んに口の端にのぼるマキロンでしかない。これをそのまま広げれば、この社会と抱えている病理とその言い訳が出来上がる。でも希望もある。みんなにハブられることで、初めて自分の「目」で世界を見て、その記述を始める主人公。その自由で勇敢で無様な立ち振る舞いは、本当の意味で『美しい』と思えた。

2016/08/07

milk tea

感想がまとめづらいなぁ。思春期の心理描写が上手なのでわかりやすかったけれど、クラスカースト、これ結構キツイですよね。息苦しくなる。そして伊吹くんの存在・役割は大きい。

2017/01/07

あつひめ

懐かしいような世界が広がった。教室という狭い空間で生まれる人間関係と格差。異性に興味を持ったり、あの数年は全てが目まぐるしく成長すると同時に閉塞感を誰もが心に抱えていた。いつこのドロドロした中から這い出られるかと。どこかで当たり前に受け止めていたことをぶち壊してやるという勇気。いつかは見返してやるという心の中に灯った小さな焔。一気に自分まで中学生時代に遡り、静かに過ごす自分の姿を思い出しながら読んだ。もしも、タイムマシンがあったなら、さりげなく机の上にこの物語を置いて来るかも。村田ワールドすごい。

2016/08/10

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