KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

終わりと始まり (朝日文庫)

終わりと始まり (朝日文庫)

終わりと始まり (朝日文庫)

作家
池澤夏樹
出版社
朝日新聞出版
発売日
2015-07-07
ISBN
9784022647856
amazonで購入する Kindle版を購入する

終わりと始まり (朝日文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

池澤夏樹氏による時事コラム。本書に収められているのは、2009年4月4日~2013年3月5日まで。折に触れてさまざまな事柄に言及しているが、柱になりそうなのはフクシマ、ミナマタ、オキナワ。これらは、それぞれが個々の問題であることもまた確かだが、同時にその本質においては深く通底するものがある。すなわち、政府、官僚、産業界(それらの全てとまでは言わないが)による、民衆の軽視がそれである。しかも、さらに問題なのは、彼らにはそれらを担う能力が根本的に欠如していることだ。虚偽に虚偽を重ねた結果が現在の姿なのである。

2016/10/28

KAZOO

池澤さんが2010年から13年にかけて書かれたコラムです。エッセイとコラムの違いを最後に述べられていますが池澤さんがその時々に感じられたことをかなり批判的に言われているのでこれはコラムなのでしょう。やはり作家さんのこのような時評(高村薫さんのもそうですが)というのはわかりやすく説得力があるように感じられます。また他の方よりも本の紹介が多いのもそのようなことなのでしょう。とくに原発関連や水俣病関連のものが多いと思いました。

2023/08/02

優希

3.11の時事コラム。明晰な見解で描かれています。災害にあった場所はカタカナ表記になっていきますが、今後増えないと良いと思います。

2021/05/16

James Hayashi

震災前後の時事コラム。沖縄、福島、水俣など深くではないが、それらの問題が我々の生きる社会で起こっていることを考えさせられる。/中国の一人っ子政策により社会は劇的に変わる。従兄弟や従姉妹が無い。文学でもそのような家族はなくなる。/福島第一の事故では人々の生活を奪い、北方四島以上の地域を国民から奪ってしまった。/東電とチッソの責任回避。著者の深い知識と取り上げられたいくつかの本に非常に興味を覚えた。

2018/04/07

ちえ

池澤夏樹氏の言葉、文章が好きだ。2009年4月〜2013年3月に新聞に月一で掲載されたコラムとのこと。アメリカでオバマ大統領が生まれ、日本では政権交代があり、東日本大震災が起こり、高揚感、言葉に出来ないショック、恐れ、読みながらその頃の日本の自分自身の事を思い出す。今、その頃と比較しても良くなっているとは思えない事に、また痛みと悲しみを覚えた。

2023/09/24

感想・レビューをもっと見る