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沈黙の町で (朝日文庫)

沈黙の町で (朝日文庫)

沈黙の町で (朝日文庫)

作家
奥田英朗
出版社
朝日新聞出版
発売日
2016-01-07
ISBN
9784022648051
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沈黙の町で (朝日文庫) / 感想・レビュー

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Yoko Omoto

この物語に出てくる登場人物は、平凡な日常を送るどこにでもいるような普通の人たちだ。だがそんな当たり前の日常が、イジメを受けていたと思われる一人の少年の死によって激変する。物語は事件に対して通りいっぺんに誰が悪いということを断じるのではなく、関係者それぞれの視点からの心情を丁寧に描くことで、事件の背景や原因を掘り下げたものとなっている。事件の当事者たち、親、教師、警察、報道、全ての人物たちが、自分の置かれた立場によって被害者にも加害者にも変化し、重いテーマながら見事な群像劇に仕上がっている。→(続)

2016/02/24

AICHAN

図書館本。イジメに題材をとった作品。奥田英朗の作品では『町長選挙』や伊良部先生シリーズなど主に笑えるものを読んできたが、これは大真面目な作品。同じ作家の作品とは思えなかった。この作家のポテンシャルの高さを感じた。中学校で死亡事件が起こる。警察の取り調べが始まる。イジメをやっていたと思われる4人が逮捕・児童相談所送りになり、間もなく釈放・保護解除になる。事件は終わったかに思えた。そこからがこの作家の本領。これ以上は書くまい。映画化して小中学生たちに見せてあげてほしい。手本的な日本語なので指定図書にしてもいい

2018/03/13

アッシュ姉

一人の中学生の転落死をめぐり、小さな町に広がる大きな波紋。死の原因を追究する捜査の過程で、浮かび上がってきたいじめの問題。子供たちは沈黙し、大人たちは翻弄される。生徒、親、教師、警察、記者など、さまざまな視点で進む群像劇で、著者は中立の立場で誰に肩入れすることもなく、丹念に描いている。話し手が変わるたびに、読み手の私は揺れ動き、いろいろな角度から考えさせられた。普通に暮らしていた人々が、ある日突然事件の関係者となって取り乱し、本来の人間性が剥き出しになっていく様子が生々しい。(コメントへ続く→)

2016/01/29

ヨーコ・オクダ

中学校にある銀杏の木の下の側溝にはまった「ちゃま夫」の死体。自殺か事故か殺人か。学校、警察、同級生、親、検察、弁護士…それぞれの立場からの考察、判断、対応。とりあえず、ちゃま夫はおぼこ過ぎ。同級生たちは、年相応におぼこい。学校側の大人たちは、世間の大人に比べると若干おぼこい。そんな印象を受けた。で、奥田センセはご丁寧に、その他の社会の大人たちの浅はかな点、そうせざるを得ない言い訳も描いてくれている。「いじめ」自体を考えるより、根本的な部分でありながらも、大きい枠組みで考えるように諭されている気がした。

2016/02/12

ふう

複雑な読後感です。ぐいぐい読ませるおもしろさはありましたが、一人の少年の死がこんなふうに扱われていいのか、人が死ぬということの重さがもっと描かれてもいいのではないかと思いながら本を閉じました。残された家族の悲しみはもちろんですが、失われた未来に対する思いが誰かの言葉を借りて語られてもよかったのではと。でも、加害者家族の我が子を守りたいという気持ち、苛められていた子に何も問題がなかったわけではないという同級生たちの言い分など、きれいごとだけではない部分からも目をそらさずに、ということでしょうか。

2016/02/17

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