一瞬と永遠と (朝日文庫)
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一瞬と永遠と (朝日文庫) / 感想・レビュー
ぶんこ
有名な漫画家さんという認識しかなかったので、ここに書かれている読んだ本、観た映画等々の「難しそうな作品ばかり」なこと。読んでいて、私は全く読んでいない、観ていない。読みたいとも観たいとも思わないのは、理解できないと思えるからです。萩尾さんの感性の凄さに感嘆。ご両親に漫画を描くことへの理解がなかった事、辛かったと思いつつ、だからこそ大成されたとも思える。この本を読んで良かったと思ったのは、寺山修司さんとのお仕事。くちゃくちゃな紙のまま応募してきた作品への、寺山さんの対応を知って嬉しかったです。
2022/04/26
Y2K☮
宇宙観とブックガイド、そして両親との確執が軸を占めるエッセイ集。「スターレッド」や「11人いる!」の生まれた背景がうっすら。やはり好きなものを創って認められたい。ブラッドベリはいずれ本腰入れて挑もう。あとピカソの青の時代や白鳥の湖、ノルウェイの森などに関する着眼点の鋭さ。著者の言葉は天才肌のアスリートさながらに速筋が強く、その跳躍力にしばしば置いていかれる。思い込みの激しいタイプ? でもそれ位己の世界に没頭できるからこそ、ジャンルの異なる傑作を奔放に生み出せた。物語の一瞬の内に煌めく永遠、私も見つけたい。
2016/07/06
Kanae Nakajima
萩尾先生の作品から受けるイメージと同様に、非常に端正な文章で、ご自身が出会った、きゅっとくる物いろいろについてのエッセイ集。萩尾作品の、いつ読んでも古く感じない、そして常に新しい驚きがある秘密の一端を覗いたような気がします。特に後半の映画や小説、手塚治虫作品の解説は白眉。「戦艦ポチョムキン」なんて読みながら映像が視えるようでした。日常の風景から、舞台、絵画、旅行先ですら常に考え続けていることは、もはや哲学的ですらあります。そして保存してあるEテレ「浦沢直樹の漫勉」を観かえして、想いをのせる技術にまた感動。
2016/12/16
はづき
「これらエッセイは、私が出会った、きゅっとくる物いろいろです。その出会いは一瞬の煌めきで、煌めきは永遠に自分の中に残ります。」 萩尾望都さんの作品批評が、いずれも短文ながら目のつけどころ、表現の仕方がさすが。そんな風に解釈ができる人だからこそ生み出せた作品群なのだと。
2016/08/22
波璃子
萩尾望都さんのエッセイ集。好きな作家さんのエッセイを読むと頭の中を覗けたような気がしてとても楽しい。好きな小説や映画の感想、日常の一コマなど日々の出来事が積み重なって萩尾さんを形成しているのだなあと思った。
2016/06/26
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