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悪人 新装版 (朝日文庫)

悪人 新装版 (朝日文庫)

悪人 新装版 (朝日文庫)

作家
吉田修一
出版社
朝日新聞出版
発売日
2018-07-06
ISBN
9784022648938
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悪人 新装版 (朝日文庫) / 感想・レビュー

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のり

殺人はもちろん悪であるが、その過程にもう一人悪意をもった者がいた。吹聴する醜さ、勘違いの立ち振舞い。罰せられないが間違いなく悪党である。被害者は命を落としたから可哀想ではあるが、全面的に同情する事も出来ない。同情すべきは娘を信じる両親だ。犯人も自首する機会が幾度もあったに関わらず逃亡の道を選んだが、最後の強硬は彼女の為だと心底願いたい。

2019/12/28

優希

殺害の捜査戦に浮かぶ男、彼と出会った女。事件は何故起き、2人は何故逃げるのか、「悪人」とは誰かを考えさせられました。誰だったのか特定していないことで、読者に委ねたのだと思いました。殺人という悪は確かに存在しますが、行為のみならないのではないでしょうか。殺人犯が悪人と直接結びつくわけではないと考えさせられました。

2019/06/05

とも

★★★★傑作の『横道世之介』の作家かと思い出した。あのほんわかとした空気とはテイストが異なるが、筆致、テンポ、描写などがバランスがいい。ストーリーは中盤から大きく展開していく。なぜ殺されなければならなかったのか。被害者の家族や加害者家族は。なぜ殺人者との逃亡することになったんか。悪人とはなんなのか。切なくも考えさせられる作品。

2019/02/17

旅するランナー

登場人物たちの屈折した寂しい心を映し出す描写力。 福岡・佐賀・長崎の風景が見え、匂いを感じる写実力。 現代社会の救いようのない感覚を会話の中に織り込む構成力。 終盤、娘を殺害された父と、容疑者大学生の友人の会話に出てくる言葉"人の気持ちの匂い""ピラミッドの底辺の石""大切な人がおらん人間の思い込み"の破壊力。 さすが代表作。 必読です。 これを超えるレベルを期待する読者を裏切らない吉田先生の並々ならぬ努力・克己力。 頭が下がります。

2018/10/02

しらこ

中身はスカスカでも、財力、地位、容姿などで他人にマウント取って生きていける人間と、マウント取られる側の人間。後者の言い分、それなりに生きているうちにいつの間にか「悪人」になってしまう成り行きが、切なくて苦しい。気持ちが良く分かるもの…。前者の人間が憎い。事件のきっかけを作ったボンボンはもちろん、「中の上」ゆえに調子をこいてた被害者も、殺されてしまったとはいえ憎い。身を焦がすような暗い感情が呼び起こされる。でも、落ち着こう。今の現実とは関係ないんだから。殺人という設定はともかく、それくらいリアルな話でした。

2020/05/02

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