読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

夜の声を聴く (朝日文庫)

夜の声を聴く (朝日文庫)

夜の声を聴く (朝日文庫)

作家
宇佐美まこと
出版社
朝日新聞出版
発売日
2020-09-07
ISBN
9784022649652
amazonで購入する Kindle版を購入する

夜の声を聴く (朝日文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

しんたろー

主人公・隆太が定時制高校で出会った同級生・大吾と共に、数々の事件に向き合う連作形式の物語は、11年前に起こった一家惨殺事件に繋がる…著者が陥り易い「盛り込み過ぎて消化不良」になるのを心配したが、巧く構成されていて杞憂に終わった。登場人物の多くが哀しい過去を背負っているので暗い雰囲気ではあるが、瑞々しい青春ものの一面もあって、絶妙なバランスの内容になっていると思えた。隆太が脆弱な理由も最後には納得できたし、大吾の健気さを応援できた。結末も宇佐美さんしては爽やかで『ポニン浄土』に続いて秀作を産み出したと思う。

2020/10/20

いつでも母さん

夜の底から聴こえる声とは・・はぁ~そうでしたか。そこだったかぁって感じ。長い長い葛藤にやっと終焉を迎えたことにホッとするのは私だけじゃないはず。16年前のたった1年間に僕・隆太にあったことは、ここの登場人物が抱えていた全ての『重し』を解放する。真実・・それは友・大吾に起きた11年前の事件だけじゃなく、哀れな男の一生を明らかにしたことでもあったのだ。帯に煽られて読み始めるも、終始不穏な空気感が漂い先が気になって急ぐ読書になった。今回、宇佐美まことの描く『再生』を読まされて嬉しい感じ。

2020/09/08

みっちゃん

「その女はいきなり手首を切った」冒頭からいきなり度胆を抜いてくる。が、心を閉ざし、引きこもる主人公のそれからの人生を大きく変える運命の出会いだ。このとんでもない出会いをきっかけに、定時制高校に通い始め、徐々に心を通わせる友が増えていく中で、その観察力と洞察力で小さな日常の謎を解いていく。それが回り回って、過去に起きたある悲惨な事件を解決するよすがと発展していく。辛い過去と向き合うのには勇気がいる。でも知る、という事を恐れていてはそこから先には進めない。構成の妙と出会いの意味に思いを致す秀作。

2020/10/13

nobby

「そんなことでー」突きつけられた過去の真相はやりきれない…蝉の声、踏切の音、あるいは宙を舞う札束、それぞれ違う光景ながら『夜の声を聴く』各々抱える畏怖や懺悔に行き着き咽び泣いた…正直、目の前でカッターで自分の手首を切った女性との出会いから始まる序盤には戸惑うばかり…ようやく長編なれど数々の何でも屋探偵エピソードが連鎖しだすと一気に楽しめる。全く無関係と思わせる意味深な回想や繰り返し述べられる事柄を後半まとめあげたのはお見事!「なんだ。君はもう科学してるじゃないか」ちゃんと今を見つけた彼等は絶対に大丈夫だ♬

2020/11/14

のぶ

装丁とタイトルから受ける印象とはかけ離れた内容だった。主人公の堤隆太は引き籠り。冒頭に突然手首を切った女性に出くわす時は、この先どうなるのかと思った。その後、彼女の通う定時制高校に通い始める。高校で知り合った大吾が働く「月世界」というリサイクルショップの手伝いを始めるが、この前半部は爽やかな青春小説。後半になり、数年前に起きた未解決の一家殺人事件の謎に巻き込まれていくミステリー仕立てになっている。作品全体に暗い印象はなく、思った以上にスケールが大きく、人物がしっかり描かれていた良くできた作品だった。

2020/10/07

感想・レビューをもっと見る