路上のX (朝日文庫)
路上のX (朝日文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
紙で読みたくて、アマ○ンでポチったのを、先日ロスで合流した友人にわざわざ日本より持ってきてもらった作品。500ページを当然のように一気読み。「負の連鎖」だとか「やりきれなさ」とか当たり前のレビューを書くのが憚られる。現実に日本のどこかで毎日起きていることなのだろうし、搾取する大人もいれば手を差し伸べる大人もいるのだろう。桐野さんが作品化するにあたってインタビューを繰り返した、という「リアル真由」である仁藤さんのあとがきも読み逃せない。
2023/05/27
ゆいまある
自宅に居場所がなく、都市でホームレス化する女子高生。その日の食事も寝場所もない為、JKビジネスの闇に吸い込まれる。逃げ出しても逃げ出しても吸い込まれる。仁藤夢乃さん達に取材している為、状況や台詞に違和感は然程ない。叔父さんの再婚相手など、疲れた大人の女は物凄く存在感あってリアルなのに、主人公に血が通ってない。主人公の強さを見せる為の大学生監禁シーンだろうが、ここまでやるキャラかなあ。問題は女対男でも子供対大人でもなく、社会的弱者を救う力が弱い世の中にあるのではないか。
2022/08/25
k5
突然、父母が失踪した真由は、父方の叔父の家に預けられるが、仕事がうまくいかずに酒に逃げる叔父と、その二番目の妻である叔母から邪魔者扱いされ、食事にも事欠く生活を送る。真由は居場所を探すべく、渋谷のラーメン屋でバイトをするが、、、貧困女子ものと言ってしまえば簡単ですが、そこは桐野夏生なので「居場所がない」という感覚がほんとうにリアルに、人の悪意によってオセロが一気に裏返る感触で描かれています。なんとも感想の締めくくりの言葉に困るけれど、読んでもらいたい一冊です。
2023/10/01
まひる
表紙の時点で、重いだろうと思った。性✕生、大人✕少女。規則とお金。私は真由のように育った。家族がいて、家があって、結婚して、家族か増えた。わたしのように生きてる人は多く、わたし達から見えてなかった世界を見せられた。小説ではあるが、ルポでもある。産まれたから生きる。それだけなのに。
2021/02/26
カブ
両親の夜逃げで、親戚の家に預けられる高校生の真由。義父の虐待から逃れてきたリオナ。今までの何気ない生活がどんなに幸せなことだったのか初めて知ることになる、彼女たちが生きていくにはあまりにも過酷な社会。大人の身勝手、無関心、心にグサッとくる。
2021/05/08
感想・レビューをもっと見る
「桐野夏生」の関連作品
ベスト・エッセイ2023
- 作家
- 角田光代
- 林真理子
- 藤沢周
- 堀江敏幸
- 町田康
- 三浦しをん
- 赤木明登
- 阿川佐和子
- 秋田麻早子
- 浅田次郎
- 荒俣宏
- 石田夏穂
- 磯野真穂
- 稲垣 栄洋
- 今井真実
- 上田岳弘
- 内澤旬子
- 内田春菊
- 大辻隆弘
- 小川哲
- 奥泉光
- 鎌田 裕樹
- 川添 愛
- 神林長平
- 岸本佐知子
- きたやま おさむ
- 桐野夏生
- 鯨庭
- 久栖博季
- 黒井千次
- 小池昌代
- 小池真理子
- 郷原 宏
- 佐伯一麦
- 酒井順子
- 佐藤利明
- 佐藤 洋二郎
- 沢木耕太郎
- 沢野ひとし
- 茂山 千之丞
- 篠弘
- 柴田一成
- 杉山昌隆
- 鈴木伸一
- 須藤一成
- 青来 有一
- 関田育子
- 大道珠貴
- 高田郁
- 武田砂鉄
- 田中慎弥
- 中山祐次郎
- 七尾旅人
- 乗代 雄介
- 服部文祥
- 平岡直子
- 平松洋子
- 藤原 智美
- 藤原麻里菜
- 古川真人
- ブレイディみかこ
- 細川護熙
- 細馬宏道
- 穂村弘
- 本田秀夫
- 松尾スズキ
- 三崎亜記
- 宮田珠己
- 村田あやこ
- 村田喜代子
- 森田真生
- 山内マリコ
- 柚木麻子
- 夢枕獏
- 綿矢りさ
- aka
- 出版社
- 光村図書出版
- 発売日
- 2023-06-26
- ISBN
- 9784813804383