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物語のなかとそと (朝日文庫)

物語のなかとそと (朝日文庫)

物語のなかとそと (朝日文庫)

作家
江國香織
出版社
朝日新聞出版
発売日
2021-03-05
ISBN
9784022649843
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文章から伝わる「世界の美しさ」に、元気をもらおう。『物語のなかとそと』/佐藤日向の#砂糖図書館⑯

私は学生時代、国語のテストの読解問題に登場する物語が楽しみだった。 長編の一部が抜粋される時もあれば、短編が出題される時もあり、続きが気になるなぁと思いながらもそこで別れてしまった物語もあれば、続きを授業で読んだこともあった。   授業で出逢った物語達は、自分で選んだ作品じゃない分、今も私の中で色濃く残っているのだと思う。   中でも、心に残った短編の作品がひとつあり、初めて先生に作家さんの名前を聞きに行った。 今回は、私にとって思い出深い、江國香織さんの「物語のなかとそと」という散文集を紹介したいと思う。   本書は「書くこと」「読むこと」「その周辺」の三つのパートに分かれていて、 短編とエッセイが入り混じっているため、不思議な感覚にとらわれる。   まず1ページ目を開いて「あぁ、これはあの時先生に聞きに行った、江國香織さんの作品だ」と気づいた瞬間、ワクワクが止まらなかった。   江國さんが紡ぐ文章はとてもみずみずしくて、文字達を目で摂取することで身体が元気になっていくような感覚になる。散文集…

2021/5/1

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物語のなかとそと (朝日文庫) / 感想・レビュー

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アン

消しゴムとの秘密、馴染みのパン、食器棚からの旅立ち…愛読書、「心が丈夫」になる絵本、手紙などが親しみを込め紹介され、江國さんの読書への愛としなやかな感性が伝わってきます。エッセイと掌編小説を編んだ散文集ですが「その周辺」という章がお気に入り。「幸福そうなお骨」、チューリップの勇姿…散歩とお風呂と食べ物、物語が日常に溶け込み、江國さんの瞳を通し紡がれる言葉は瑞々しくきらめいて、あくまでも優しくきっぱりと。まるで夕暮れに街角で出逢った友人の呼び声のように、懐かしいそよ風のように私をふんわりと包んでくれます。

2021/04/14

エドワード

江國香織さんの言葉には本当に共感することばかりだ。標題エッセイが秀逸。どこへ行くにも本を持っていく。CDショップが無くなってショックを受ける。ああ、一緒だ。「現実の時間は流れていて、街も人もシステムも様子がすっかり違ってしまっているので戸惑います。」ああ、同世代だ。作家さんはそれでいいよね。お風呂、お酒、絵本、消しゴム、好きなものはみな同じ。手紙の文章は書いた人の声そのもの、という考え方に惹かれる。変わらないままで変わり続ける江國さん。こんなに親近感のわく人も珍しい。これからも心に響く文章を待っています。

2021/03/20

短編とエッセイの混ざった一冊。江國香織さんの20年分。本を読んでいる間は物語の中にいるからその場にはいない、だから日中の8割本を読んでる自分は4年しか時間が進んでないのに、現実は20年進んでいる…という感性がほんとうに好きだった。「着飾るということはある意味武装(P110)」という言葉もだいすきで、わたしもどこへ行くときも外の世界はこわいものがたくさんあるから舐められない自分でいれたり、自信をもてる自分でいるために「武装」しているんだとおもう。

2022/10/01

きなこ

読むこと、書くことに明け暮れている江國さんの散文集。エッセイを読んでいると、江國さんって小説の主人公そのままのような人なのかなと思えてくる。飛んでいるカモメを飛行機と間違えるカワイイ人。紹介されてる書籍には懐かしいものや、手に取ってみたいものが色々。後書きで強く勧められてる『満ちみてる生』が気になるな。お洒落で少女で大人な女性の江國さんをより知ることができる素敵な一冊でした。

2021/03/28

ダージリン

江國さんのエッセイを読むと、こんな感性で世の中を見れたら素敵だなあといつも思います。そして物語を愛する言葉に溢れていて、うっとり(笑)。そんな中でも「ここに居続けること」が新鮮な捉え方でした。

2021/04/03

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