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朝日文庫時代小説アンソロジー『わかれ』

朝日文庫時代小説アンソロジー『わかれ』

朝日文庫時代小説アンソロジー『わかれ』

作家
朝井まかて
折口真喜子
木内昇
北原亞以子
西條奈加
志川 節子
細谷正充
出版社
朝日新聞出版
発売日
2022-03-07
ISBN
9784022650344
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朝日文庫時代小説アンソロジー『わかれ』 / 感想・レビュー

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いつでも母さん

これだから細谷正充さん編のアンソロジーはやめられない。苦しくも切ない別れ・・女性作家6名による6編。どれも好い。親友との苦い別れ、病死した兄を慕う幼少の弟、侍を辞め染井吉野を造った植木職人の妻との死別、夫に見切りをつける妻、猫との別れ、結婚間近で失明したつまみ細工の簪職人・おりよのわかれ・・既読もあったがいいものは何度読んでも良い。「さよならだけが人生だ」は誰が言った言葉だったか・・齢を重ねて色んな『わかれ』を経験してきたが、これからは心が痛いのは小説だけだといいなぁ。

2022/03/31

じいじ

目下、売り出し中の中堅女流書き手による時代小説アンソロジー。読み始めて間もなく、ノッピキならぬ野暮用で、読了が2・3日遅れてしまった。どれも好きな作家で愉しめた。【三途の川】の折口真喜子は初読み。筋書きはちょっぴりホラーぽいが、兄弟愛が丁寧に描かれていて、なかなか良かった。北原亞以子の【橋を渡って】は、今作のイチ押し。夫婦の駆け引きが面白かった。自身の浮気を棚に上げて、義弟の浮気を説教する主人公が可笑しかった。よくできた女房をもった亭主は幸せ者ですね。

2022/05/13

しいたけ

「わかれ」をテーマにセレクトされた時代小説のアンソロジー。六編どれも素晴らしかった。別れに至るまでの物語には、当然のごとく別れた後の生き方が滲み出る。特に良かったものを書こうとして読み返し、またそれぞれの結末の妙に嵌ってしまった。西條奈加の猫が主役の短編『十市と赤』は、感動つづきの中休みかと読み始めたが、終盤に落涙。侮った私が馬鹿だった。

2022/03/10

けやき

別れがテーマの時代小説アンソロジー。朝井まかての「ひってん」や折口真喜子の「三途の川」が好き。西條奈加の「十市と赤」を読んで、それが含まれている連作集「猫の傀儡」を読んでみたくなった。

2022/03/13

のんちゃん

題名通り別れを扱った時代小説アンソロジー。編者の細谷氏も解説で「特に意識したわけではないが」全部女性作家作品になった、と言われている。時代小説は女性作家さん贔屓の私には、嬉しい一冊だった。底本を知らないとわからない様な人間関係の繋がりもなく、大変読みやすかった。特に西條奈加さんの猫ものがユニークで面白かった。また、北原亞以子さんには流石の筆力を感じたし、志川節子さん作品は底本を積んであるので、読む楽しみが増した。それぞれの作家さんを知るのにも良い一冊。

2022/04/08

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