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この国の息苦しさの正体 感情支配社会を生き抜く (朝日新書)

この国の息苦しさの正体 感情支配社会を生き抜く (朝日新書)

この国の息苦しさの正体 感情支配社会を生き抜く (朝日新書)

作家
和田秀樹
出版社
朝日新聞出版
発売日
2017-07-13
ISBN
9784022737243
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「この国の息苦しさの正体 感情支配社会を生き抜く (朝日新書)」のおすすめレビュー

「不安」が日本人を追い込んでいく…感情支配社会を生き抜くために

『この国の息苦しさの正体 感情支配社会を生き抜く』(和田秀樹/朝日新聞出版)

 日本が息苦しい。芸能人の不倫や失言を、さも重大犯罪のように批判して社会的制裁を望む人たちがいる。一方で、そんな人たちも職場ではリストラに怯えながら自分を殺して過ごしているのだ。「転落への恐怖」は日本人の特徴だといわれるが、ますます顕著になっていると認めざるをえない。

 どうして日本には嫌な空気が漂うようになったのか。精神科医であり、映画監督としても活躍する和田秀樹は『この国の息苦しさの正体 感情支配社会を生き抜く』(朝日新聞出版)で、現代日本の「息苦しさ」を分析する。負の感情にとらわれ、身動きがとれなくなっている人は、本書から前向きに生きるヒントを得られるだろう。

 著者は現代の日本を「感情支配社会」と形容する。たとえば、築地市場移転問題にまつわる報道だ。7月の都議会選では大きな論点となり、明確な方針を示していないとして小池百合子氏率いる「都民ファーストの会」が批判にさらされた。しかし、むしろ現時点で「白黒」をつけようとする姿勢こそ著者は疑問を呈する。市場の今後を左右する問…

2017/9/11

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この国の息苦しさの正体 感情支配社会を生き抜く (朝日新書) / 感想・レビュー

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けぴ

和田秀樹さんはいつも論理的で客観的な視点でためになります。P94 「日本の場合は同調心理が起こりやすいという事実があるにもかかわらず、マスコミにしても警察発表の通りに全局、同じような報道を流す。1局ぐらい警察ではなく、容疑者の担当となった弁護士の意見を流す局があっても良さそうなものです」P141 「視聴者からのクレームが来ないように無難なことを言おうとします。キャスターを続けられれば、多少なりとも年収が増えるため、みんな右にならえになってしまうのでしょう」先日読んだ『殺人犯はそこにいる』に繋がる話でした。

2022/02/04

けんとまん1007

ここに書かれていることは、自分の身の回りで、日常茶飯的に起きている。というのか、そういう環境・空気感・思考が作り出されている。そこにあるのは、同質という言葉が当てはまる。そこにいて安心し、それ以外を排除するということ。その根っこにあるのは、進化ならぬ退化ではないのかと思う。

2019/02/01

現状維持バイアスは本当に怖い。水無田気流さんの「幸せから逃げることは難しい」という言葉であったり、マイ・ケミカルロマンスの『NA NA NA』の歌詞だったり、色んなものが脳内を駆け巡ってしまう。安心感と危機感のバランスを取らないと「勇気」は生まれないんだろうなと▼明治初期の「教育令」は体罰を禁止していた。ある意味今より先進的かもしれない▼「雑に生きられるようサポートするというのが、精神科医の大切な仕事なのです」(P.197)

2018/07/28

たかこ

#読了 わかるような、わからないような。結局正体は掴めなかったけれど、物事の受け止め方はそれぞれで、今は誰でもSNSを通じて情報を発信できる。だからなのか、「誰かの「気に入らない」という感情に引っかからないよう、無難に生きなければならない…プレッシャーを感じる社会になってしまった。」にはうなずいた。悪循環に陥る思考とその解決法はわかりやすかった。感情のコントロールが難しいなら、まずは行動をコントロールしてみる。脳がいい方に錯覚を起こし、悪循環から抜け出せるような、思考の癖をつける。認知行動療法。

2021/12/08

怜音

「おとなしくしているというのは、不安がほかのすべての感情だけでなく、理想的な思考まで押し殺している状態。いってみれば、きわめて感情的な状態といえる」という著者の言葉には、頷ける。自分勝手な思い込みで思考停止するのではなく、知性的に考え、行動することを心がけたい。

2019/02/24

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