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よみがえる戦略的思考 ウクライナ戦争で見る「動的体系」 (朝日新書)

よみがえる戦略的思考 ウクライナ戦争で見る「動的体系」 (朝日新書)

よみがえる戦略的思考 ウクライナ戦争で見る「動的体系」 (朝日新書)

作家
佐藤優
出版社
朝日新聞出版
発売日
2022-10-13
ISBN
9784022951939
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よみがえる戦略的思考 ウクライナ戦争で見る「動的体系」 (朝日新書) / 感想・レビュー

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kawa

単純なロシア悪役説に基づかない双方の事情や歴史、識者の見方を通じて今回の戦争を分析、解決策を模索する良書。「アメリカに『管理された戦争』」「(戦争を長引かせることでロシアを)弱体化させることが米国の戦略」「ウクライナが交渉の席について和平を結んでも、(ゼレンスキー)政権に求心力がないため、ウクライナ国内がもたない」等々。解決策が見えてこない状況に言葉もないのだが、「ロシアとアメリカの交渉で最終的に解決せざるを得ない」ことだけは確かなのだろう。

2022/10/21

さきん

価値の体系、利益の体系、力の体系で世界情勢を見ようという呼びかけ。大東亜共栄圏しかり、今回のウクライナ情勢しかり、価値の体系の見方にハマりすぎると、利益、力の体系を見落としてしまう。プーチンの侵攻および残虐行為自体、一線を越え、これ以上の行為をあらゆる手段をもって阻止すべきだが、一方で、EUやアメリカの血を流さない援助やウクライナのロシア語禁止や政治的腐敗に関しても注意してみる必要がある。ロシアは現にあらゆる犠牲をもっての戦争を維持しており、ウクライナも国力限界に到達している。日本は国力充実に努めるのみ。

2022/12/28

amanon

今回のロシアによるウクライナ侵攻は、必ずしもロシア=悪、ウクライナ=善という単純な図式ではないというのは、何となくわかっていたつもりだったが、ここまで複雑な背景やパワーバランスが働いていたことに驚き。それぞれの国に、表の顔と裏の顔があること、一見して、敵対関係にありながらも、その裏で互いに駆け引きがあったりと、決して明快な敵対関係をなしているのではないという事実に、日本人には計り知れないヨーロッパ諸国のタフさ強かさを垣間見た気がした。著者がいうようにシニシズムに陥ってはならないとは思うが、かなり難しい。

2023/06/15

Hiroki Nishizumi

政治、国際関係は冷徹な思考が必要だとは分かっているが、なかなか難しいものがある。本書の冒頭にある価値の体系、力の体系、利益の体系との三要素は考えさせられる。またウクライナの複雑な歴史も参考になった。

2024/02/09

しゅー

★★★「国際政治においては、『価値の体系』『利益の体系』『力の体系』という三つの要素が極めて重要だ。国際関係とは、故・高坂正堯氏が唱えたようにこの三要素が複雑に絡み合った動的体系であるからだ」ウクライナ戦争に関する日本での議論は「価値の体系」に偏りすぎている。日米同盟に基軸を起きながらも、「価値の体系」に流されず国益を追求した安倍政権の姿勢を受け継ぐべきだ。佐藤優の時事ネタの新書としては近年まれに見る良書ではないだろうか。ウクライナの歴史的背景の整理もわかりやすく、著者の核兵器に対するメッセージがアツい。

2022/12/18

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