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新宗教 戦後政争史 (朝日新書)

新宗教 戦後政争史 (朝日新書)

新宗教 戦後政争史 (朝日新書)

作家
島田裕巳
出版社
朝日新聞出版
発売日
2023-02-13
ISBN
9784022952066
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新宗教 戦後政争史 (朝日新書) / 感想・レビュー

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よしたけ

宗教をめぐる状況は戦前と戦後で激変。信教自由の保障、昭和天皇の人間宣言による現人神の地位を下りたことが要因。高度成長期に至るまでは、家督相続性で都会に押し出された次男や三男達にとって、心の受け支えとなったのが創価学会・立正佼成会・PL教団などの新宗教。その後、少子化や世代交代、平成における天皇のあり方の変化、合理主義による先祖崇拝の衰退、スマホ普及による情報氾濫で教活動が困難となったこと、などで新宗教は衰退に迎う。本書では、創価学会を例に政治と宗教のつながりにもメスをいれており、その点も興味深い。

2023/08/28

ヒデキ

新宗教と政治の関わりをその誕生から 描いていこうとしていますが、 「戦後」という縛りのためか創価学会さんの動きが、メインになっています。 戦前の軍部への協力も描いて欲しかったと思いますが、 また、それは、趣旨が、違うかもしれませんね 宗教が、生き残るために進む道と人が、信仰にいきる道は、違うと思っていますが・・・

2023/08/16

Iwata Kentaro

大傑作。読んでよかった。宗教は「幻想」だがその幻想を信じる人々の存在はリアルである。だから歴史において宗教史の学びもまたリアルな学びだ。これまで理解に隙間があった部分をかなり埋めてくれた本書。旧統一教会、天理教、松下幸之助、双葉山、八紘一宇と北一輝、石原莞爾、満州事変、生長の家、日本会議、創価学会と公明党、立正佼成会、オウム真理教、幸福の科学と大川隆法。靖国神社の由来も勉強になった。

2023/03/03

Yuki2018

高度経済成長時代の若者は、上流階級は大学に行って左翼活動に吸収されたが、中卒・小卒で地方から都市に出てきた人たちを吸収し、教育や社会経験の機会を与えたのが創価学会等の新宗教だ。同学会が教育からスタートした団体なのも無縁ではなかろう。他に、統一教会、璽光尊、天理教、霊友会、生長の家等も流れを追って説明している。とても勉強になった。現在では、宗教は多くの人にとって実質的な意味を失い、軒並み信者を減らしているようだが、支えてくれる集団を持てずに孤立している人を救うような、新しい役割もあるのではとも思う。

2023/04/29

田中峰和

宗教の盛衰を政治と絡めて考えれば、多くの現象が納得できる。天皇の人間宣言で、天皇の不在に不安を覚えた国民にアピールした新宗教は信者を拡大した。戦中の69連勝でヒーローになった双葉山は囲碁の呉清源に利用され、警察と大立ち回りを演じた。蛇足だがその人物が大相撲の理事長になるのだから、コンプライアン不在の時代でもあった。日本人をサタンと決めつけた旧統一教会が日本で信者を獲得したのは彼らのマゾ的要素を悪用したからなのか。日蓮主義の攻撃性は戦後、折伏として活用され一気に信者数を拡大。騙される精神の弱さが気になる。

2024/01/28

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