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笑えよ (文庫ダ・ヴィンチ)

笑えよ (文庫ダ・ヴィンチ)

笑えよ (文庫ダ・ヴィンチ)

作家
工藤水生
出版社
KADOKAWA/メディアファクトリー
発売日
2015-02-24
ISBN
9784040673967
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笑えよ (文庫ダ・ヴィンチ) / 感想・レビュー

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❁かな❁

タイトルと表紙を見て前から気になってました!ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞作。とても読みやすい素直で瑞々しい文章。大学在学中に書かれたとのこと。登場人物それぞれの想いがあり、みんなを応援したくなりました!少しもどかしいいびつな関係ですが、その分、絆が芽生え大切な関係を築けるんじゃないかな*終わり方も好きです♪文庫化にあたり書き下ろし短編入り。この書き下ろし『赤い蝋燭と人魚の脚』がとても良かったです!タイトルでわかる通り、小川未明さんの「赤い蝋燭と人魚」が出てきます!こちらもラスト好きです*次回作出てほしいな♪

2015/08/03

おかむー

帯と解説が乃木坂46の深川麻衣という点のみで手を出したこの作品、特に期待していなかったぶん逆に意外とよかったですよ。『よくできました』。表題作は、それぞれに“普通”からは外れた秘めたものを抱える三人の男女、少しづつ互いを知り合ってゆくにつれそれぞれの秘めたものとも向き合ってゆく。重くなりかねない題材が、いい意味で乾いた肩の力が抜けている文章のおかげで軽やかな読後感。書き下ろし『赤い蝋燭と人魚の足』も作風は同様だけれど向き合うものはやるせなく、それでも寄り添う主人公・いつかの思いはすがすがしいのですよ。

2015/03/07

*蜜柑*

「おれ、女のひとがだめなんだ」彼の告白に彼女は驚かない。知っていたから..。あるきっかけで、それまで接点のなかった3人の奇妙な関係がはじまる「笑えよ」と、図書室の秘密の場所からはじまる「赤い蝋燭と人魚の脚」2つの短編を収録。少し歪で、だからこそ瑞々しい青春を描く。「笑えよ」の3人に共通するのは、明るい絶望と前向きな諦め。なにもかも原動力となる若い時代が懐かしい。穏やかな水面が平常心なら、学生時代は些細なことで波紋が広がり、水面はいつも揺れていた。この物語を懐かしく感じるのは、作者と同い年だからだろうか。

2015/08/18

黒うさぎ

同じ予備校に通う三人の、恋愛とも友情とも少し異なる微妙な関係。一瞬一瞬のリアルと、「普通」じゃないのかもしれない、のバランスが絶妙だった。しかし短いな。お互いの、ありのままを好きだと言える彼らを、わたしは絶対に笑わない。きっと誰も笑わない。だから君たちこそ、大丈夫、泣いてもいいよ、もっと笑っていいよと言いたい。

2015/03/08

yamakujira

中編「笑えよ」と短編「赤い蝋燭と人魚の脚」を収録。「笑えよ」は女子高生を主人公に、同級生男子ふたりとの奇妙な友情をえがく。「赤い蝋燭~」は女子高に通うふたりの女子高生の、こちらも奇妙な友情をえがく。伸縮する距離感に青春を感じるけれど、青いだけじゃなくて脆くもあり強くもある思春期の心理が切なくてあたたかくて、未来ある高校生を応援したくなるね。雪や図書室の効果もあって、どちらも静謐な時間を感じる一方で、雪は溶けて次の季節を迎え、大量の本は知識の泉だと思えば、それぞれの成長を示唆しているようだ。 (★★★☆☆)

2018/07/04

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