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檸檬 (角川文庫)

檸檬 (角川文庫)

檸檬 (角川文庫)

作家
梶井基次郎
出版社
角川書店
発売日
2013-06-21
ISBN
9784041008386
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「檸檬 (角川文庫)」のおすすめレビュー

31歳で亡くなった梶井基次郎の『檸檬』 あ、丸善にレモンを置く話? 「桜の樹の下には屍体が埋まっている」で始まるあの話も収録

『檸檬 (280円文庫)』(梶井基次郎/角川春樹事務所)

『檸檬 (角川文庫)』(梶井基次郎/角川書店)

『檸檬 (新潮文庫)』(梶井基次郎/新潮社)

 読み返せば読み返すほど、さらに魅力が増していく本がある。特に教科書に載せられていた名作の数々は大人になってから読み返してこそ、じわじわとその魅力が感じられるものだ。その最たるものとして挙げたいのが、梶井基次郎の『檸檬』。「ああ、丸善に檸檬を置く話ね」と侮ってはいけない。ひとたび本を開けば、作者の感性に圧倒。作品の力に思わず魅せられてしまうことだろう。

『檸檬』の文庫版は梶井基次郎の短編集となっている。特に近年発刊された文庫の装丁はなんともオシャレ。見ているだけで清々しい気持ちになり、どの文庫で読もうかと悩んでしまうほどだ。そして、装丁に負けないほど、その内容もみずみずしく、青春の味わいがする。表題「檸檬」は、冒頭から、主人公が、憂鬱さ、不吉さに苛まれている物語。好きな音楽や詩にも癒されず、文具書店の丸善でも満たされない。借金取りに追われているし、身体の具合も芳しくない。そんな主人公は、寺町通の果物屋で…

2018/8/23

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『檸檬』の作品解説 梶井基次郎が中谷孝雄、外村繁らとともに創刊した雑誌『青空』の1925年創刊号に発表された作品です。1931年には武蔵野書院から創作集『檸檬』が刊行されました。

得体の知れない憂鬱な心情や、ふと心に抱いたいたずらな感情を、梶井基次郎の得意とする色彩豊かな感覚で詩的に描いた作品として知られており、梶井基次郎の代表作の1つに挙げられる作品です。

研ぎ澄まされた感覚を詩的に表現する文体は、梶井基次郎の文学作品の真骨頂といえ、『檸檬』はもちろん、後に書いた作品の多くにも認められるものです。 『檸檬』の主な登場人物 「私」:本作の主人公。京都に下宿していた時の作者がモデル。 『檸檬』のあらすじ​​ 「えたいの知れない不吉な魂」に始…

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『檸檬』の文庫版は梶井基次郎の短編集となっている。特…

2019/11/1

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檸檬 (角川文庫) / 感想・レビュー

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ソルティ

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2022/10/19

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2018/05/20

ykmmr (^_^)

まず、表紙が良い。まさに、『檸檬』なのは勿論、デザインがモダンなのはあるが、何処か儚げなところが、本の内容にそっくり。その儚さと、結核と闘う彼の心情が全ての作品に刷り込まれており、特に、黄色く酸っぱい面で印象が強い『檸檬』との対比感が著しい。堀辰雄も同じ病気で闘病されていたが、二人とも、その苦悩をさりげなく描き、作品が退廃的な感じになってしまう。でも繊細で優しく、二人の雰囲気そのままである。ただ、私たち『読者』は二人のその想いを簡単に解釈してはならないとの事だ。

2021/09/21

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