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雪国 (角川文庫)

雪国 (角川文庫)

雪国 (角川文庫)

作家
川端康成
出版社
角川書店
発売日
2013-06-21
ISBN
9784041008461
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雪国 (角川文庫) / 感想・レビュー

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ちなぽむ

淡くガラス窓に消える雪のようなものを見ていた。過透明な羽虫の翅は美しすぎてまるで死のようであったが、私はむしろそこに生き抜く逞しさのようなものも併せて見たような気がしている。 雪で閉じられたそのくにのおんなが、脚は容易く開いても、真に心を開くことはないだろう。つらく厳しい冬の寒さは、はっと息をのむ幻燈と、永遠のような啓示のような星の河をひらめかせすうと消えた。燃えるかなしみと、いじらしく故にみすぼらしいような生命力。その切なるひらめきの瞬間に立ち会えた、そのことは私にとっては何よりも慈しむべきものである。

2019/12/22

アキ

ノーベル賞受賞の対象作品。日本語の文章の巧さと優れた感受性で日本人の心の精髄を表現したと評された。冒頭の有名な文章から、雪深い列車の中の夕景色の鏡の中「指で覚えている女」と「眼にともし火をつけていた女」との間になにがあるのかと匂わせる始まりから妖しげ。駒子に魅かれていく島村は、遂に火事のなか葉子が落ちるのを見る。その夜空は天の川が掬い上げられる程近かった。部屋に羽ばたく蛾や雪国の冷水で晒した麻の縮、内湯で聴く葉子の謡が印象的な場面として頭に浮ぶ。物語としては謎めいたまま終わるが、心情を表わす表現が印象的。

2019/11/18

red falcon

読み終わって1週間後、ふと駒子のことを思い出しました。「あのひと、あれからどうしているかな」と。半年後、「あの人、ちゃんとして生きているかな」と、また思い出しました。川端康成が物語の中に紡ぎ出した駒子が、私の心の中に住み着いてしまったように感じました。深い余韻の残る作品です。

2015/08/11

こばまり

駒子苦手と思っていたら次第に高まる緊張感に愕然。こんなお話でしたっけ。分からなくて当然よと高校生の頃の自分に言ってやりたいです。女性の描写が心憎し。叙景も素晴らしかった。静かな温泉宿で読んでみたいです。

2015/12/11

yomineko

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった」の有名な文章で始まる名作。「夜の底が白くなった」はまさに翻訳し難い美しい表現。あぁ日本人で良かったとしみじみ思う。無為徒食の島村がどういう男性か謎めいているけれどけなげな駒子の言葉のひとつひとつに島村への愛がにじみ出ている。終わりに川端先生のお写真があるのですがお若い時あまりにも男前でいらしたのでビックリしました。「伊豆の踊子」は読んだので今度は「眠りの美女」を読みたいです。

2019/05/23

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