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この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡 (角川文庫)

この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡 (角川文庫)

この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡 (角川文庫)

作家
門田隆将
出版社
KADOKAWA
発売日
2013-10-25
ISBN
9784041010358
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この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡 (角川文庫) / 感想・レビュー

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しいたけ

「軍隊とは国民を守るのが原点」と言い切る男。降伏の詔後に、戦犯覚悟で邦人を守り日本に返すため、ソ連軍と死闘を繰り広げる。本物の軍人は義も守る。あのとき受けた蒋介石からの恩義。「義には義をもって返す」と禁を犯して台湾に乗りこむ。満州の邦人を放り出した関東軍とのこの違い。これが上に立つ者によるものだけだとしたら、私たちは何で男を量ればいいのだろう。真っ青な空を思わせる感動の横に、暗雲を見てしまう。守られる私たちに与えられるものが只の運では困るのだ。義を持つ者、持たざる者を、見誤りたくはない。

2017/08/03

Kentaro

終戦時、内蒙古在住四万人の邦人と北支那派遣軍三十五万将兵の命を繫いでくれたことに対する恩義──この恩義を忘れることがなかった根本は、国府軍の蒋介石を共産党軍から守るため、身を捨てた行動を取り、実際に金門島の戦いに勝利し、報いられた。根本渡台問題は、次第に大きくなっていた。もちろん根本自身はそのことをまったく知らない。根本が金門島で作戦指導を終え、大勝利をもたらした頃には、ついに国会でも取り上げられる事態となっていた。根本が日本に帰国する際、蔣介石から、心のこもった最高の品が贈られたことを知る人は少ない。

2020/02/11

trazom

何とも壮絶な物語があったものだ。内蒙古の司令官であった根本中将が、終戦直後に在留邦人の帰還を支援してくれた蒋介石への恩返しを果たさんとて、昭和24年に台湾に密航し、国共内戦を戦う国民党軍の軍事顧問として、金門島の戦いを勝利に導く。そもそも、中台国境線が、厦門と金門島の間にあることさえ知らなかった私には、衝撃的な事実である。日本陸軍エリートの驕りに塗れた例は枚挙に暇がないが、こういう人物がいたことを、誇りに思いたい。更に、突然消えた父のことを「軍人の家族ですから…」と言う家族もまた、もう一つの奇跡である。

2018/11/20

belalugosi6997

日台友好と言えば八田與一氏である。李登輝元総統は親日家としても有名である。近年では東日本大震災で「困った時に手を差し伸べるのが真の友」として多額の義援金で支援してもらえたのも忘れられない。 歴史は一面一方向で観ると見誤る恐れがある、中国や朝鮮がそうである。勿論、私もそうだった。私にとって蒋介石国民党党首は独裁者で現在でも続くチャイニーズ・タイペイか台湾?は蒋介石氏のせいである。 2・28事件では弾圧と虐殺の白色テロである。(小林よしのり氏の台湾論) ところが実際には蒋介石氏はカイロ会談で国体の護持を

2019/01/04

will

3度目の台訪を前に、台湾より中国本土に近接する金門島がなぜ台湾領土なのか? 疑問に思っていたがその謎が解けた。恩義ある蒋介石のために台湾に渡る。台湾国府軍の「顧問」という立場で戦略を立て、迫りくる中国共産軍を金門島で殲滅する。「根本博」なる人物の存在を初めて知った。。現在の台湾と日本との友好関係の歴史の裏で埋もれていた人物。日本でもっと知らされるべき史実である。ノンフィクションはほとんど手にしなかったが、改めてその面白さに気付かされた。門田氏2冊めであるがその語りに感涙の一冊であった。◎

2017/08/20

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