ののはな通信
「ののはな通信」のおすすめレビュー
震えるほどの恋の記憶を抱き、少女たちは生きる…三浦しをん『ののはな通信』を読書メーターユーザーはどう読んだ?
『ののはな通信』(三浦しをん/KADOKAWA)
魂が引き寄せられ、結ばれる。そんな美しくも麗しい瞬間をあなたは体感したことがあるだろうか。思い出すだけで全身が揺さぶられる運命の恋。そんな恋を経験してきた2人の女子の物語はあなたにもきっと深い感動を与えるに違いない。
三浦しをん氏著『ののはな通信』(KADOKAWA)は、お嬢様学校で出会った2人の女子の甘美で残酷な愛の物語。2人はただの友達同士ではない。友達から親友、親友から恋人となり、幾度の別れを経ても強い絆で結ばれる。そんな彼女たちの40年あまりが、手紙やメールの文面だけで綴られる。読者たちは秘密のやりとりをこっそりと覗き見しているような気分にさせられ、そして、その愛の深さに圧倒させられるのだ。
横浜のミッション系のお嬢様学校・聖フランチェスカに通う、野々原茜と牧田はな。2人は互いを「のの」「はな」と呼び合い、手紙を交換し合いながら、友情を育んできた。庶民的な家庭で育ち、頭脳明晰、クールで毒舌なのの。外交官の家に生まれ、天真爛漫で甘え上手のはな。親友となった2人にいつしか芽生えた友情以上の気…
2018/11/14
全文を読む三浦しをんの新たなる最高傑作『ののはな通信』! 運命の恋に導かれ大人になる少女たちの甘美で残酷な関係を描く
『ののはな通信』(三浦しをん/KADOKAWA)
女同士の友情は、恋に似ている。彼女の“いちばん”が自分であってほしいと願い、ほかの誰かと親しくしているのを見るだけで嫉妬する。いずれ恋人ができても、物理的に距離が離れたとしても、お互いにとって最大の理解者であるというふしぎな信頼感と絆がある。そんな濃密な友情を育んだことのある女性はあんがい、少なくないんじゃないだろうか。出会いが思春期であるなら、なおさら。その結びつきは恋を超えた絆となりうる。三浦しをんさんの新作『ののはな通信』(KADOKAWA)は、ミッション系の女子校で出会ったふたりの少女が、情熱的な恋から不変の愛へと関係を深めていく大河ロマンである。
物語は、のの(野々原茜)とはな(牧田はな)の往復書簡で展開する。舞台は昭和59年。授業中にまわす手紙や、ときどき投函される手紙やはがきだ。お嬢様だらけの学校で庶民家庭の育ちにコンプレックスを抱きながら、頭脳と毒舌を武器とするクールなのの。外交官の親をもつ帰国子女で、勉強はきらいだが甘え上手の天真爛漫なはな。欠けているところを補い合うように、ふ…
2018/6/2
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そのサテライトイベントのひとつとして、11月12日に行われたのが、たちばな書店presents「三浦しをん(著)『舟を編む』」読後会だ。「たちばな書店」とはEXILEのパフォーマーであり、読書家としても知られる橘ケンチさんが主宰する、「本を通してたくさんの方々と価値観を交換して、共有する “広場”」であるモバイルサイト。「読後会」は、たちばな書店初の試みで、「読んだ本に関して思いを語り合ったり、作者の方に質問したりできる場を作りたい」という橘さんの提案で実現した。
課…
2018/11/20
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ののはな通信 / 感想・レビュー
starbro
三浦しをんは、新作中心に読んでいる作家です。本書は、(同性)恋愛往復書簡大河小説でした。もっとライトな内容かなと思ったのですが、かなり濃密なヘビー級で、読み終えるのに体力を使いました。最終的に二人のハンサムウーマンが紛争地域と被災地で活躍することになるとは・・・想定外の結末でした。本書は、今年のBEST20候補です。【読メエロ部】
2018/06/08
ウッディ
クラスメイトとして出会った「のの」と「はな」。二人の友情は愛情へと変化し、互いを想い合いながらも、様々な経験を経て別々の道を歩む。通信手段が手紙からメールになり、20年以上続く往復書簡は読み応えがありました。返信がないと書いた内容で気分を害したのではという手紙ならでは緊張感がありました。深く愛した経験はその人の核となり、その後の生き方に大きな影響を与える。二人が出会ったことは、二人にとって幸せだったのかと色々と考えさせる一冊でした。その後のはな、為五郎さんの行方など少しモヤモヤは残りましたが、面白かった。
2019/02/18
うっちー
色々と重たいテーマでした
2018/06/27
風眠
中身は物凄くいいのに、パッケージがちょっとダサい商品。何だかそんな感じで、この本、損してると思う。読み始めると、タイトルと装丁の可愛いイメージとは違う展開に戸惑うし、読み終わると、濃密で骨太な愛の物語には軽すぎるタイトルだと不満に思う。そういうところで損してる感じはあるけれど、中身は文句なしに素晴らしい!読み終わり、私は『舟を編む』で語られた恋の定義についての記述を思い出した。女と女、だからまっすぐには進めない苦しさがある。愛の表し方もまっすぐじゃないけれど、心と心が繋がるってきっと、こういうことなのだ。
2018/06/24
ピース
ののとはなの手紙とメールによる会話。高校から40代位まで続いている。高校時代の秘密の関係、それが解消した後もメールで関係は続く。その頃二人は直接会うことはない。にも拘わらずこれだけ親密な関係を築いているのが素晴らしい。はなはどこでどうしてるんだろうか。
2018/06/29
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