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新訳 ジキル博士とハイド氏 (角川文庫)

新訳 ジキル博士とハイド氏 (角川文庫)

新訳 ジキル博士とハイド氏 (角川文庫)

作家
スティーヴンソン
田内志文
出版社
KADOKAWA
発売日
2017-04-25
ISBN
9784041023259
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新訳 ジキル博士とハイド氏 (角川文庫) / 感想・レビュー

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aquamarine

ジキルとハイドと言えば…と代名詞になるほど有名な本作。ロンドンの古めかしい街並みの描写にハイドの得体の知れなさや気分の悪い雰囲気がぴったりです。人間というものは必ず善悪併せ持っているもので、普通は常識の範囲に収まっています。でもどこかでそのふり幅が狂ってしまったら…。前半は弁護士アタスンが見たままのことが語られますが、後半は残された手紙の内容で、想像を超えるジキルの葛藤が伝わってきて驚かされます。まるで覚醒剤を知ってしまった男のよう…。時代は変わってもこの話は寓話として役割を果たしていくのかもしれません。

2019/11/12

絹恵

(装画・佳嶋さんから)探さないでほしい、見つけてほしくないところが悪の部分なのだとしたら、気づかれにくいところが善なのかもしれません。しかし偶然に悪は生まれ、不自然な善もあります。消しきれない悪と棄てきれない善の狭間で、貴方はだれ?と問うことは、私はだれ?と問うていることも知らずに、完璧な異常と半端な正常がHIDE-AND-SEEK.

2017/05/13

hikarunoir

夢からの着想故、共に女人禁制寮生活で教育された同時代作家の「ドリアン・グレイの肖像」と対に無意識の性抑圧が激しく反映され読み取れ、辛かった。

2021/03/04

sui

26。有名も有名な著書、実はこれが初読みでした。二重人格の代名詞のようなこの作品、あらすじどころか結末も、こんな話だったのかぁと驚き。いや、何よりもこんな短いお話だったことにも驚き。人間はどんな人でも善と悪の挾間で生きているようなものと思うけれど、その均衡が保てなくなったとき、果たして人は人のまま生きていけるのだろうか…。どちらか一方だけでは生きてはいけないし、それはやはり人ではないように思う。訳者あとがきでの解説が興味深く、「そういう面」も踏まえて読み直すとまた違った見方が出来そうで面白いかもしれない。

2017/09/25

aosora

世界的名作を恥ずかしながら初読み。恐ろしくも興味深い作品でした。何度か読んで深読みしたいと思いつつ記録として。誰しも心に持つ善と悪。とは言っても、ジキル博士の興味は異様な程強い。ジキル博士の告白は読んでいて非常に苦しい。満月を見て狼男に変身するが如く薬でもう一つの人格を手に入れる行為。ドラックにハマった人間のようで悪に対する戒めも含んでいるのだろう。後書きにある、イギリスの男性の性社会の背景を念頭に再読すると新たな発見があるだろうか。

2020/02/11

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