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セメント怪談稼業

セメント怪談稼業

セメント怪談稼業

作家
松村進吉
出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
2014-11-26
ISBN
9784041024348
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セメント怪談稼業 / 感想・レビュー

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Yu。

怪談作家を生業としつつ家業も手伝い食いつなぐ著者(おまけに偏屈)。。そんな彼の地元で起きた怪奇現象を当人や親しい友人・知人から直接訊き出す取材形式の実話怪談集。結構怖い… なかでも印象深いのは、著者が任された山中の一角に開かれた土地での整地作業中に味わう気味の悪さに背筋が凍る「掘ったら出るの件」。体験者である妹に纏わる恐怖話を語る姉‥だがそれを語る彼女に隠された真意こそが本当の恐怖「ある姉妹の件」。

2016/08/26

澤水月

驚いた…大化け!腹の底から大笑い(黒木某の描写死ぬ)、プロレタリア、恋愛!、(遺棄タイムリー)動物愛、ダメ男が心身も心霊にも逞しくなるビルドゥングス、もち怪談!全部盛り私小説いや私実話‼︎牧歌的/オーソドックスなのから平山系狂気。平山クンロク受け考え詰め…何か間違えてる気がしてならぬがw…著者が最近書き続けている病理系。一親等に病者2人大変だった私には受け入れ難く当時辛辣に書き見事揺さぶられたクチ。だが3天丼くらいめに覚悟かと…始めた理由があんな過酷笑える状況とは。この路線もっと読みたい頑張れタヌキー…

2014/11/29

あーびん

家業の建設業に従事しながら実話怪談作家として執筆を続ける著者ならではの怪談実話。実家の倉庫で朝っぱらから弟と怪談談義が始まったり、日常生活のなにげない会話の中に当たり前のように怪談が存在しているので怪談パートへ至る導入部がとてもなめらか。この私小説風怪談実話というスタイルも平山さんの無茶ぶりの影響か。怪異は人間に認識されることで成り立ち、怪談は人間の営みとともに存在するということを改めて思い起こさせる。

2018/11/28

くさてる

実話怪談だと思って読んでいたのだけど、これは思わぬ面白さ。怪談の取材のなかに見え隠れする著者の心情の描写から飛躍して新しい実話怪談の可能性に繋がっていく展開がスリリングで、そして、登場する人々の人物像が、それぞれとても、良くて。たとえ善人でなくとも人間として好ましい匂いがする人物、悪人でなくともなにかを失った凄みある忌まわしい人物、それぞれが存在していて「純文学」という評にも納得できる深みがありました。今後も読んでいきたいです。

2015/03/21

パブロ

松村進吉ってこんなにユーモアたっぷりな文章が書けたんだ! 期待していた初の単行本。だからこそゴリゴリの実話怪談本かと思ったら、いい意味で肩透かし。これは実話怪談と見せかけた私小説だ! 家業から師・平山夢明、妻のこと、そして作家として七転八倒のでんぐり返しをしながら、真摯に怪談と向かい合う漢(おとこ)の血と汗と笑いの物語。読み進めていけばいくほど、自虐的にコミカライズされた著者のキャラがくせになる。松村さん、私の中では『ふたり怪談』がベストです。『「超」怖い話P』も。もっと血だるまになって書いてくださいね。

2014/11/27

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