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いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件

いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件

いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件

作家
大崎善生
出版社
KADOKAWA
発売日
2016-11-30
ISBN
9784041025222
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世間を騒がせた凄惨な事件の真相・殺人犯の心理が形成される過程とは…。猟奇殺人に関するノンフィクション5選

 神奈川県座間市の閑静な住宅街にあるアパートの一室から9人の遺体が発見された。白石隆浩容疑者は9人の殺害を認め、自宅の浴室で遺体を切断したと供述している。ワンルームのアパートからはクーラーボックスやRVボックスに入れられた死体が発見された。死臭が充満する部屋で平然と暮らしていた同容疑者。その異常さが際立った衝撃的な事件だ。

 私たちは、凄惨な事件が起こると、犯罪者たちの異常な心理や事件の真相にまず目が行く。もちろん、それらを知ることも大事だが、その犯人の特異体質が形成されるまでの過程や、事件のその後についても知っておく必要がある。本記事では、世間を騒がせた残忍な事件に迫ったノンフィクションを紹介したい。

『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』(大崎善生/KADOKAWA)

 2007年8月の深夜、名古屋の高級住宅街の一角を歩いていた磯谷利恵さんが3人の男たちによって拉致された。男たちは磯谷さんの頭部をハンマーで40回にわたって殴り、殺害。山林に遺棄した。死の直前、磯谷さんは、脅され、体を震わせながらも犯人に対して毅然とした態度を示したそうだ。驚く…

2017/11/1

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恐怖と絶望の中、死の直前に絞り出したメッセージ… 2007年「名古屋闇サイト殺人事件」に迫る慟哭のノンフィクション

『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』 (大崎善生/KADOKAWA)

 デビュー作『聖の青春』が映画化され、話題となっている作家・大崎善生の最新作『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』が2016年11月30日(水)に発売された。  2007年8月、深夜。名古屋の高級住宅街の一角に1台の車が停まった。車内にいた3人の男は、帰宅中の磯谷(いそがい)利恵さんに道を聞く素振りで近づき、拉致、監禁、そして殺害。非道を働いた男たちは3日前、携帯電話の闇サイト「闇の職業安定所」を介して顔を合わせたばかりだった。車内で脅され、体を震わせながらも悪に対して毅然とした態度を示した彼女は、命を賭して何を守ろうとし、何を遺したのか。そして、死の直前に遺した「2960」の意味とは―。  同書は、被害女性の生涯に寄り添いながら、事件に迫る長編ノンフィクション。磯谷利恵さんの母・富美子さんと著者の大崎は同書にこんなコメントを残している。

娘が遺した最後の言葉に、ただただ胸がかきむしられる思いです。磯谷富美子

私にとって、この作品がひとつのピリオド。『聖の青春』からはじまった作家…

2016/12/1

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いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件 / 感想・レビュー

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遥かなる想い

2007年夏 闇サイトで集まった凶漢たちに 通りがかりの女性が 殺害された事件を追った本である。 著者は 被害者の側に寄り添いながら、 被害者家族の真摯な生き様を描くが、 簡単に 闇サイトで 犯罪者たちが 知り合いになっていく現代の怖さ、そして永山基準に いまだ縛られている司法界のあやうさを 感じる。 被害者が最後に残した「2960」がとても 哀しい…ノンフィクションだった。

2021/12/09

M

利恵さんご本人の無念さや計り知れない恐怖や激痛や絶望、お母様の想像もつかない苦悩を思うと、涙無くしては読めない。懸命に真面目に生きてきた被害者側が晒し者にされ翻弄され何重にも傷つけられ、人の心を欠片も持たぬ残虐な加害者が護られ未来を許されるという法の在り方にいつも憤りを覚える。"被害者が頑張ったから犯人たちはやむを得ず残虐化した、そしてこれは最初から残虐な殺し方をした犯行よりも罪が軽い…"暴行に遭いながらも殺されまいと最後まであらゆる知恵を駆使した被害者が悪者のようなこの手の弁護にはつくづく我慢ならない。

2016/12/21

ウッディ

闇サイトで知り合った3人の男が帰宅中のOLを拉致して殺害した「名古屋闇サイト殺人事件」、その被害者 磯谷理恵さんの31年の人生の軌跡と犯人達の量刑をめぐる母の戦いを描いたノンフィクション。久々にボロ泣きの読書でした。幼い頃に父を亡くし、母娘寄り添って生きてきた理恵さんの人生を知ることで、犯人が奪ったものが、命だけでなくて、挫折の中から掴んだ彼女の夢、母への感謝、恋人との幸せな将来を含めた全てであることがわかる。門田隆将さんの「なぜ君は絶望と闘えたのか」を読み終えた時と同じ憤りと感動を覚えました。

2018/03/04

fwhd8325

何とも言葉にならない。こんなにもむごいことがあっていいのだろうか。一人では何もできなく、何も考えを持たない輩が集まり人の命を奪ってしまう。そこの何らかの動機があれば、第三者である私たちも、様々な側面から事件を見ることもあるだろう。だが、この事件は、なぜ起きてしまったのか、起きなければいけなかったのか全く理解できない。辛い読書でした。

2017/07/01

修一郎

現在も主犯の一人が別件で裁判を続けていることを読んだ後に知り衝撃を受けた。日本の犯罪率は下がっているというが,相手がだれでもよいという無差別殺人事案は減っていないと思う。更生余地診断の限界も分かったことだし死刑廃止を含め,量刑判断についてはまだまだ論議する必要があると思う。「聖の青春」の大崎善生さんが殺人事件のドキュメント?と意外感があったのだが被害者側母娘の生涯を丁寧に追うことで,理不尽な事件を浮き彫りにさせた手法に同じ視点を感じて納得した。こんな偶然の重なりで命を落とすなんて無差別殺人は酷すぎる。

2017/07/23

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