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ロマンスドール (角川文庫)

ロマンスドール (角川文庫)

ロマンスドール (角川文庫)

作家
タナダユキ
出版社
KADOKAWA
発売日
2019-11-21
ISBN
9784041026410
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「ロマンスドール (角川文庫)」のおすすめレビュー

ラブドールの製造工程がわかる恋愛小説? 映画化目前の『ロマンスドール』がおもしろい

『ロマンスドール』(タナダユキ/KADOKAWA)

 2020年1月24日から全国ロードショーされる『ロマンスドール』。同作はある夫婦が過ごした日々を丁寧に描いたラブストーリーだ。映画では、ラブドール職人の北村哲雄を高橋一生、彼の妻、園子を蒼井優が演じる。原作は、映画監督のタナダユキ氏が執筆した同名小説だ。

 2008年時の『ダ・ヴィンチ』(KADOKAWA)連載中は、時の流れとともにすれ違っていく夫婦の気持ちに共感を覚える読者も多かったが、同時に話題になったのが哲雄のラブドール職人という仕事の描写だ。

 哲雄は、美大で彫刻を学び大学院を卒業後、目的もなくフリーター生活をしていたところを大学時代の先輩・加藤に誘われて「久保田商会」という町工場で働くことになる。その工場で製造されていたのがダッチワイフ。いわゆる「ラブドール」だった。

 近年では、ラブドール愛好家がメディアで取り上げられたり、イラストレーターのみうらじゅんさんの愛するラブドールが雑誌に掲載されたりと、ドールの美しさや精巧な作りが話題になることもしばしば。しかし、この作品の舞台になっている1…

2019/11/17

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ロマンスドール (角川文庫) / 感想・レビュー

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nyaoko

映画化と知って購入。こ、こういう始まりかいな!と初っ端から驚き。しかし、まぁ、この主人公、バっカだなぁ。ほんっと、救いようのないバカ亭主だ。対して妻の園子と来たら、なんでそこまで尽くすんだよ!と、イライラするよりも可愛そうで、悲しくて、ただ、ただ、園子の最期の幸せを祈って読んだ。あとがきと、みうらじゅん解説まで読むと読後感は良いです。みうらじゅん、大事。現実にはこういう、美人で料理上手で、浮気を許す奥さんはいませんよ〜。

2020/03/21

いたろう

先に映画を観ていたのでストーリーは知っていたが、小説の方が、細部が詳しく書かれていて、映画の世界を更に深掘りして見るかのよう。タナダユキ監督が、この小説を書いてから、自身で映画化するまで、実に10年以上、そもそも、最初から映画化するつもりだったのかどうかも分からない。小説では、哲雄のラブドール開発の試行錯誤の状況が詳細に語られ、まるでラブドール開発のお仕事小説のようにも思えてくる。そして、映画も小説も、園子の死で始まるが、そこに至る状況が、小説の方がずっと詳しい。そこは、映画でもしっかり描いて欲しかった。

2021/10/31

Kei

よかった…早く映画が観たい!蒼井優ちゃんが演じる園子はどんなだろう。

2019/12/31

ねこけし

映画を観て、良かったので原作も。正直、ラブドールとは何ぞやという状態だったけれど、いやらしさもなく人間の本質を丁寧に描いた話だと思った。いつも思うけれど、性と生はとても近くて誰しもが通る道の様に感じる。映画は原作の世界観をそのままに、美しい生が描かれていた。個人的にはこのあとてつおがどの様に生きていくのかが気になるけれど、てつおは園子との思い出を胸に生きていく力があると感じた。

2022/06/27

ぬぬ

夫婦って難しい。そして男性は何で釣った魚に餌をあげない?浮気だってしてたらわかる。女性はそんな馬鹿じゃない。本書は主人公の妻が腹上死するところから始まる。何言ってんの?っという感じですが、奥さんは絶頂の中で事切れたと言う訳です。これは夫婦がすれ違い、ぶつかり合い、歩み寄り、「死」を受け入れていくお話。独身の私が夫婦を語るのは難しいけど、夫婦の究極の愛、限界の愛を描いている気がしました。命が擦り減ろうともどんな形であれ愛する人と繋がっていたい…あと、毎年同じ場所にお花見に行く夫婦って素敵だなって思いました。

2019/12/15

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