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火星の話

火星の話

火星の話

作家
小嶋陽太郎
出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
2015-04-27
ISBN
9784041028346
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火星の話 / 感想・レビュー

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chimako

好みの分かれる本だと思われるが、個人的には好きだし今の心情にマッチした一冊だった。主人公国吉、友だちの水野、派手な高見さんと火星人の佐伯さん。そして高校の担任山口先生。誰もが愛おしく、頭を撫でたり、おやつのチョコをあげたくなる。国吉は家の近くの進学校に通う高校1年生。水野は学校に来ず二人とも数学の補習を言いつかる。補習時、一緒だった佐伯さんの夢を見るようになった国吉。彼女は確かに火星の王女だった……迷える高校生たち。火星人という鎧を着込み自分を守ろうとした佐伯さんの事情。自分の弱さ。大人になるのはいつ?

2022/11/21

☆よいこ

自分は「火星人」で18歳になったら迎えが来ると主張する佐伯さん。「数学できない病」にかかり数学で0点を取った国吉は、佐伯さんが気になる。夏休みの数学補習中に、白昼夢で火星にいる佐伯さんを見る。友人の水野はいきなりガリ勉しはじめて、水野兄が心配して国吉に相談。茶髪で軽い女だと思っていた高見さんは意外と足が早くて、やたら国吉にからむ。担任の山口先生はちゃらい。▽それぞれの青春が眩しい。「私は火星人なの」と宣言する少女と、それを信じて着いていく少年の話。▽白昼夢はちょっと、唐突にファンタジーぽくて違うかなぁ

2022/10/07

みかん🍊

インド的数値を出し壊滅的に数学がダメな国吉、火星の姫で18歳になれば迎えが来て帰ってしまうという佐伯さん、無口で坊主頭の水野、派手で先生を追い掛けていて、何故か国吉にちょっかいを出してくる元陸上部で優秀だったのに怪我をして陸上を諦めた高見さん、そして茶髪でチャライけど男前で面白くて人気のある山口先生、夏休み数学の補習から見る火星の話、何故が所々会話が面白くて、突拍子もない事を始める彼らの空っぽで退屈な日々がちょっと切なく、訳分からんけど不思議な青春小説でした。

2015/06/17

ゆかーん

生温い世界で生きていたかった。でも、僕は大人にならなければいけない。大人は躊躇なく僕を大人の世界へ引きずり込もうとしている。だから僕は火星へと逃げ出すしかなかった。佐伯さんの住む火星なら、空っぽな僕の心に違う景色を見せてくれそうだから。でも、本当に困っていたのは佐伯さんだった…。僕が佐伯さんを救うべきなのに、僕は火星という空想世界に甘んじて現実から目を背けた。佐伯さんが苦しんでいることに、気がつかないふりをしたんだ。でも今度は、大人になるために覚悟を決めなければいけない。それが今の僕には必要なことなんだ。

2018/01/06

ぶんこ

自分を火星人と堂々と言う佐伯さん。それを小学生の時から高校生までの間貫いているのもすごい。同級生の国吉君の無気力感もまたすごい。正直2人に共感もなく、理解もできないまま読み終わりました。担任の山口先生が突き放さない先生だったのが良かった気がします。

2022/04/30

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