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なぎさ (角川文庫)

なぎさ (角川文庫)

なぎさ (角川文庫)

作家
山本文緒
出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
2016-06-18
ISBN
9784041039892
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なぎさ (角川文庫) / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

久しぶりの山本文緒さんの作品でしたが、やっぱり文章が丁寧ですね。キレイとか読みやすいとはまたちょっと違い、とにかく一文字一文字、一文一文とても丁寧に書かれているなという感じです。作者さんとしてはしばらくぶりの長編ということで、長らくブランクがあったようですが、そのブランクの不安を見事に払拭したかのようなしっかりと落ち着いた作品でした。とある流れでカフェを営む姉妹の葛藤やブラック企業に勤め、その苦しみにココロを病んでいくサラリーマンのリアリティなど、決して他人事とは思えない描写がとてもココロに残りました。

2016/09/16

ykmmr (^_^)

神奈川の観光名所的な場所を舞台に、様々な『過去』・『人生』・『人格』を背負った人物たちが集合し、掴み処のない、つかず・離れずの人間ドラマを繰り広げる。元漫画家の妹が、堅実な姉(夫婦)の家に居候し、地元密着カフェをオープン。順調に行きたい所だが…経営方針などの当たり前の事から、個性派妹、浮ついた夫の部下、妹繋がりで経営に関わるよく分からない人物。『魅力』より『個性』と印象を与える登場人物たちが起こす、何とも言えない『出来事』たちと自分たち夫婦の事情も加味され、振り回される主人公であるが…。

2022/12/10

アン

久里浜で夫と暮らす専業主婦の冬乃は、転がり込んできた妹に誘われカフェの仕事を始めることに。一方、夫の会社の後輩川崎は、仕事にわだかまりを抱えながら心身共に疲弊してしまい…。すれ違いや孤独、自分の居場所、親との確執。失うものに怯え、葛藤する姿は痛々しくもリアルで、次第に周囲の人々との交流を通し変化していく様子が丁寧に綴られています。相手を思い遣るあたたかさ、家族や自分と向き合う強さ、新たな人生。手を差し伸べてくれる人物の言葉に心がじんわりと。寄せては返すさざ波の音が優しく響くような、そっと力をくれる物語。

2021/07/01

扉のこちら側

2016年​474冊め。何がどう問題だと言い切れない社会生活の中で積もる澱。やがて心身と生活を蝕むにあたって「いつからこうなったんだっけ」と思うようになる、その描写に現実味があったと思う。流行のカフェを姉妹で開いた結果がこうなるとは予想外だったし、モリのバックグラウンドや何かあったことを匂わされる両親のことはもっと深く書かれると思っていただけれど、読み終わってみるとこれくらいが「必要十分」だったと思わされた。

2016/06/26

アッシュ姉

遠慮のない家族に苦しめられ、遠慮がちな夫婦関係に悩む主婦。夢を諦め、挫折を繰り返す青年。二人の視点で進むストーリーを最初はゆっくり追っていたが、一癖も二癖もある脇役たちが気になって後半は止まらず一気。もがきながらも前に進む人たちへの山本文緒さんの応援歌のよう。もっと続きを読んでみたかった。

2021/12/28

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