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光炎の人 (下)

光炎の人 (下)

光炎の人 (下)

作家
木内昇
出版社
KADOKAWA/角川書店
発売日
2016-08-31
ISBN
9784041041949
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あらすじ

大阪の伸銅工場ですべてを技術開発に捧げた音三郎は、製品化という大きなチャンスを手にする。だが、それは無惨にも打ち砕かれてしまう。これだけ努力しているのに、自分はまだ何も成し遂げていない。自分に学があれば違ったのか。日に日に強くなる焦り。新たな可能性を求めて東京の軍需工場へ移った彼は、無線機開発の分野でめきめきと頭角をあらわしていく。そんなある日、かつてのライバルの成功を耳にしてしまい――!? 技術発展の光と闇を問う、衝撃のラスト!

光炎の人 (下) / 感想・レビュー

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いつでも母さん

時代に抗い、時代に求められ、時代に流され、そしてのこの最期はあまりに虚しくはないだろうか!完全文系の私には難しいところが一杯で読了にとても時間を要した。それでも何かを追求する人の姿は胸を打つ!で終わりだったら良かったのに・・人の心はままならないなぁと正直思うのだ。音三郎は悪くない!なんて言えないからちょっと哀しい。金海の姿がいっそ清々しく思うのだ。木内作家、渾身の力作だろうが下巻は特に複雑だった。それ故疲れた読書だった。再度、そりゃあ無いよ・・と云いたい。

2016/11/02

なゆ

読み始めた時は、「電気は、人々を救うのだ」という想いを形にするための長い物語なのだろうと思っていたのだが…。大阪から東京そして満州へと舞台を変え、無線機の開発と実用化に没頭していく音三郎。開発が進むほど、音三郎からは何かが切り捨てられていってるようなうすら寒さも。どういう思いで読み続けていけばいいのか、複雑だった。どこで歯車は狂ったのか。確かに物狂いすぎて、それ以外のことには気が回らなかったのかもしれない。それゆえの哀しい結末だったのか。向かう道は違うが、利平もどこか似た危うさを感じてしまった。

2016/12/21

ゆみねこ

どっしりとした読み心地。音三郎がどんどん変貌してゆく姿、読んでいて辛かったです。大正から昭和、日本が戦争へと突き進んでゆく時代、ハッピーエンドではない物語なので面白いという感想にはなりませんが、印象に残る作品です。

2017/02/02

nico

田舎にいた頃の音三郎は大人しくて純朴な若者だった。田舎から大阪、東京と場所を移し、小さな町工場の職工から官営の軍需工場の研究員に。小学校もまともに卒業していないのにインテリ達と共に仕事をしても引けをとらない…出世街道まっしぐらで夢も叶ったかに思えたのに、彼は現実の壁に立ち塞がれる。上巻とは違い下巻は読み進める内に胸苦しくなってくる。「必ず成功してやる」彼の強気の野心が虚しい。ラストの幼馴染みとの対峙は遣りきれない。自分の技術にプライドを持った男の夢は、現代に生きる技師達に受け継がれていると信じたい。

2017/12/02

ゆかーん

純粋に製品研究に打ち込み、真空管受信機の開発に勤しんできた音三郎ですが、その気持ちは湾曲し、誰よりも優れた技術を手にしたいという欲求に駆られていきます。家柄や育ってきた環境で、下に見られてしまう階級社会に苦しめられる中、彼は高い技術力で周りの人間を圧倒しようとしていました。しかし、戦時中の関東軍にその技術が買われ、「成功=開発者」としての名誉を手にできると思っていた矢先、思わぬ結果に彼の運命は終わりを告げてしまいます…。後に彼の技術が礎となって、今の世にも息づいているかと思うと、感慨深いものがあります。

2017/02/21

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