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醜い日本の私 (角川文庫)

醜い日本の私 (角川文庫)

醜い日本の私 (角川文庫)

作家
中島義道
出版社
KADOKAWA
発売日
2016-10-25
ISBN
9784041044490
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醜い日本の私 (角川文庫) / 感想・レビュー

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テツ

簡単に言ってしまえば偏屈なおじさんがその偏屈さを哲学的な思考で理論武装していく姿を淡々と語るだけなんだけれど、中島義道は面白い。人種や宗教的なマイノリティではなく思考や精神のマイノリティの感覚や好悪がいかに無視され踏みにじられているのか、自分がマジョリティの側に立っているときには決して気づかない。自分の不愉快さときちんと向き合い思考し、そしてマジョリティの横暴に立ち向かうこと。中島先生のような繊細さを持ち合わせていないから想像しかできないが、大変なんだろうなと思う。

2019/08/12

ぷるいち

この人は哲学ができるキレ芸人なんだと思う。哲学的なものの見方と思考体力がないと、この本で言っていることは、99%、マイノリティーでうるさ型のおっさんの言い分にしかすぎない。マイノリティーはマジョリティーへの変質をしても・しなくてもいい自由があると思っている。そしてそのそれぞれの選択肢に、なにがしかの結果が伴うだけで、ただマイノリティーを許容せよ、では論理としては一方的だ。それこそルサンチマン。一方で、倫理・美醜・快不快の三つの関係は自分がいま考えていることに、とても使えそうだった。

2017/06/19

タリホー

市街地において林立する電柱、ゴタゴタと張られた広告や原色のデカい看板等々、美意識が高いはずの日本で醜い景観が存在する理由に加え、著者自身がそれに対して憤慨し対抗した体験談を交えながら、醜さの分析と日本に蔓延る「感受性ファシズム」を明らかにした一冊。皆が気にしないから、気にするお前が我慢しろという風潮に抗い、性格破綻者扱いも承知の上で役所・店に抗議する著者は正に哲学の実践者といえるのかもしれないし、応援したい。ただ、この分量で900円越えはチト高いかな。

2016/10/28

ja^2

私が是非とも街から排除して欲しいと思うものが二つある。一つは幟旗。なんであんなシャビーで醜悪な物を皆が好きなのか、私にはまったく理解できない。▼もう一つは標語の看板である。これが私の住んでいる街にはやたらと多い。その標語看板のほとんどは、道徳的な内容なのだ。▼果たしてあれで自分の不道徳な心を戒める人間など、どれほどいるだろうか?その効果のほどを検証しないまま、夥しい量の標語看板を掲げ、街の景観を壊しているのは独善的で、どこか暴力的ですらある。著者の言う「日本人の押し付けがましい優しさ」そのものだ。

2023/07/24

ほにょこ

★★★☆☆ 共感できるところは半々くらい。 アナウンスがうるさいのには同意します。 他の人は気にならないのに自分だけが気になることがあるとストレスがたまりますね。 とはいえ、例えば誰かの顔が不快だと感じるとしても顔を変えろと言うわけにもいきません(笑)。 スルーする技術を身につけたいものです。

2017/01/12

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