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さくら、うるわし 左近の桜

さくら、うるわし 左近の桜

さくら、うるわし 左近の桜

作家
長野まゆみ
出版社
KADOKAWA
発売日
2017-11-02
ISBN
9784041050668
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あらすじ

男同士が忍び逢う宿屋「左近」の長男、桜蔵(さくら)は高校を卒業し、大学に進学。それを機に実家をはなれ、父の柾とその正妻と同居することになる。しかし、やっかいなものを拾う“体質”は、そのままで……
大雨の朝、自転車通学の途中で事故にあい、迷いこんだ先は古着を仕立て直すという〈江間衣服縫製所〉。その主の婆さんは着ていた服で浮き世の罪の重さをはかり、つぎに渡る川や行き先を決めるという――この世ならざる古着屋や巡査との出逢い、境界をまたいで往き来する桜蔵の命運やいかに――!?(この川、渡るべからず)
匂いたつかぐわしさにほろ酔う、大人のための連作奇譚集。

さくら、うるわし 左近の桜 / 感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

表紙が耽美過ぎて電車の中じゃ、読めないじゃないか・・・。化生の者である桜蔵を彼岸ではなく、此の世に留めているのは周囲の働きかけがあるからに過ぎない。死者に殴られては魂が抜け出ては乗っ取られる彼の身体は最早、空蝉でしかない。それにしても何度も大変な目に遭っているのに学習もしなければ、警戒からの措置を取らない桜蔵は呆れるしかない。日文さんが呆れ果てるのは殻が「男」である者の馬鹿さ加減だと思う。取り敢えず、雨の中、自転車通学は止めときなさいよ。個人的に「この川、渡るべからず」は奪衣婆の柔軟な職務姿勢は好きだな。

2018/02/18

優希

妖艶にして耽美。人でないものを引き寄せてしまう桜蔵が彼岸と此岸を彷徨う様子が美しかったです。夢と現、妖と人、過去と現実の境が曖昧になり広がる世界に翻弄されますが、そこがこのシリーズの魅力だと思いました。まだ謎が多いですけれども、続編もありそうですし、今後少しずつ色々なことが見えてくるのでしょうね。前2作以上に妖奇譚の色合いが強くなった気がしますが面白かったです。

2017/11/27

ひめありす@灯れ松明の火

どうしてこんなに心が騒ぐのだろう。あなたは私の事なんてちっとも気にするそぶりを見せないのに。住まうべき境界が違う。吸う水が違う。受け入れられるものが違う。器の形が違う。種別が違う。性別が違う。叶う事のない願いなのに。触れてはならない欲望なのに。共に彼岸へと渡るもまた一興と誘われてしまう。危うげで嫋か。儚げで妖しげ。乳よりも白い膚を食み、ごつごつと節高くなったところを慰撫し、僅かな紅に口接けたいと、衝動は募る。教えておくれ。どうしてこんなにもあなたは我々を惹きつけるのか。もうすぐ咲き誇るだろう、さくらばなよ

2018/03/15

しゅてふぁん

前二作とは毛色の異なる第三作。これまではひと月一話で桜蔵と‘左近’の一年が書かれていたのに、今作は短編が四つ。桜蔵の環境が変わったからなのかな。季節感とともに楽しんでいた私にとっては残念な構成変更だ。登場人物の名前が同じなだけで、別の作品を読んでいる気分になった。とはいえ、次が出ても読むけど!詩集『緑の月』の第三話、過去と現在が繋がる第四話がよかった。

2018/11/13

鴨のオレンジソース煮

じっくり長野ワールドを堪能。不可思議で、難解で、美しい悪夢のようで、耽美で、物語を頭の中で何度も反芻して引き込まれる。作品に登場する人の名前がいつも魅力的。桜蔵(さくら)とか千菊(ちあき)とか女性を思わせるのに男性だし。私が中学生の時から全くブレない長野ワールド。うっとり。

2017/11/20

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