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星空の16進数

星空の16進数

星空の16進数

作家
逸木裕
出版社
KADOKAWA
発売日
2018-06-29
ISBN
9784041069189
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11年前の誘拐事件に秘められた謎。色彩豊かな感動のミステリー『星空の16進数』逸木 裕インタビュー

 第36回横溝正史ミステリ大賞受賞作『虹を待つ彼女』で2016年、鮮烈なデビューを果たした逸木裕さん。謎解きミステリーの面白さと繊細なタッチの人間ドラマを融合させた作風で注目を集める新鋭が、新たに挑んだのは「色彩」にまつわる青春ミステリー。心を揺さぶるその世界に迫った。  

『星空の16進数』 逸木 裕 KADOKAWA 1500円(税別) ウェブデザイナーとして働く17歳の藍葉は、ある風景が気になっていた。それは6歳の時、誘拐犯に連れ込まれた部屋の壁にあった色の洪水。藍葉はひょんなことから知り合った私立探偵みどりに、自分を誘拐した女性・朱里を探してほしいと依頼する。事件に隠された意外な真実とは──。色鮮やかな傑作ミステリー。

 高校中退後、ひとり暮らしをしながら、ウェブデザインのアルバイトをしている藍葉、17歳。単純な作業を命じられるだけの職場だが、人づき合いが苦手な藍葉にとっては、学校よりも居心地のいい場所だ。そんなある日、アパートに私立探偵の森田みどりが訪ねてくる。みどりがバッグから取り出したのはある人物から託されたという白い封筒…

2018/7/6

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星空の16進数 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

パトラッシュ

極端に感情的なキャラたちが、暴走と衝突を繰り返す。謎の相手から大金が送られた藍葉は好きなことしか目に入らず、没頭すると周囲を忘れてしまう。金の送り主を調べる女探偵みどりは、危険な調査にのめり込むのに快感を覚える。彼女らを軸に育児放棄したシングルマザー、異常な過去を持つ画家の女と暴力性の男などが絡み、やがて藍葉が幼少時に誘拐された事件の真相が浮かび上がる。そこで数少ないまともな人間と思われていた男が、最も狂気に囚われていた事実が明らかになるのだ。極彩色の乱反射する光を見続けた気分で、読後に重い疲労感を残す。

2023/09/28

koma-inu

探偵みどりの長編第1作。誘拐された時に見た部屋の色を忘れられない藍葉が、犯人探しをみどりに依頼。本書のポイントは、16進数の色コード。登場人物の個性を色コードで表す作者の理系センスは見事です。特にラスト1行の色コードを調べると・・なるほどー!救いのある結末で、胸いっぱいになりました。一方、みどりが終盤に犯人を追い詰める理由が狂気であり、次作「五つの季節に探偵は」の地の性格とリンクするのが面白いところです。やっぱりみどりは怖い・・

2022/07/02

itica

色は16進数の組み合わせで表現できる。そう言われても何のことか理解できない自分が悲しいけれど、藍葉の色に対するこだわりと言うか、識別能力の高さに先ず驚く。人とのコミュニケーションが苦手な17歳のウェブデザイナーの藍葉に、11年前に自分を誘拐した朱里を探してほしいと依頼された探偵のみどり。みどりの過剰な仕事ぶりに、何故そこまでのめり込むのか疑問に思わないでもないが、細かいことを気にしなければ「色」を主役にした小説は新鮮で不思議な世界観を醸し出している。藍葉の成長する姿がいい。

2018/08/03

はつばあば

表紙の絵とレビューに誘われて久々の紙本を購入。ミステリーが苦手な人にもお勧めできるかな?。絵を描きたいけれど上手く描けない色音痴な私には難しい感覚ですが・・目の前の文章がパ~と華やぐような。6歳の頃誘拐された人との距離感のわからない女の子。その子に百万というお金を届けた口が達者で怖い事にマヒした感覚を持つ探偵。人生と同じように人はいろいろ。それを個性で片付けるなら私はここに登場する浅川さんに票を入れたい。17歳と40代の女性だけでは心許ない登場に、彼の言葉と助力に重みがあるからこの本が生きているのだと

2020/10/03

ami*15

逸木さんの作品はシリアスな流れから一気に明るくなってくる感じがするところが好きです。今作も誘拐事件や複雑な事情を抱える少女が登場するというシリアスな要素がありながらも、最後は読んでいる側も嬉しい気持ちになる場面が見られたところがこの作者らしかったかなと思いました。でも事件の真相に関してはまだ若干もやもやが残る印象です。ひとつの色でも呼び方や見え方が沢山ある、色に詳しい藍葉や朱里さんが見ている世界はちょっと違うものに見えていそう。話が進むにつれてだんだん藍葉の世界が綺麗に色づいているように見える物語でした。

2018/10/05

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