KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

夜汐

夜汐

夜汐

作家
東山彰良
出版社
KADOKAWA
発売日
2018-11-28
ISBN
9784041069226
amazonで購入する

夜汐 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

starbro

東山 彰良は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者の新機軸、幕末の殺し屋の物語中心と思いきや、新撰組がかなりの内容を占めていました。著者は、この後どのような方向に進むのでしょうか?

2018/12/11

いつでも母さん

夜汐・・塩辛い香りが漂うよ。居るのに居ない。居ないのに感じる。狼の化身か『優しい死神』とでも言おうか。そんな男と約束した蓮八と、苦界を退いた幼なじみ八穂の愛の物語でもあった。時代の転換期、新選組まで描いて東山作家が面白い。序章からテンポが心地よくページを捲る手が止まらない。えぇい、誰も読むのを遮るな。終章まで激動の5年間を私もその空気となって漂いその熱に酔った。14歳になった忘れ形見の小夜よ、新しい時代に堂々と生きて行け!

2018/12/28

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

時代が大きく揺れ動く幕末、新撰組に入った隊士には、大義なく生活の為、と入隊した者も多かったのかも。土方さん好きとしてはどうしても「潔く散った」名士をカッコよく感じるけど、多くの人はそんなものより今を生きる事の方が大切だったんだろうな。そうだよね。 幼い頃から親の庇護を受けられず、必死で生きた等身大の男性の姿には応援したくなるけれど、あまりにも都合がいいんじゃないかい?夜汐のキャラクターにもイマイチ感情移入できず… 絶賛レビューが多い中言いづらいけど、私にはちょっとイマイチだった…( ⌯᷄௰⌯᷅ )

2019/02/23

🐾Yoko Omoto🐾

尊皇攘夷から倒幕へと沸き立つ動乱の幕末。色街へ身を沈めた思い人を救うべく追われる身となった男。幕末の志士達との邂逅や命懸けの逃亡劇を経て男が辿り着く境地とは…。殺し屋の夜汐は、命の末路を決めるのは己次第だと言わんばかりに、死を司る神を具現化したような存在として描かれ、その印象は強烈だ。「人は、いつか必ず死ぬということを思い知らなければ、生きているということを実感することもできない」というハイデガーの名言が浮かぶ。男の心情を通して描かれる死生観にやや冗長さは感じたが、哲学的な匂いを色濃く感じる良作だった。

2019/01/19

とん大西

待つ女がいた。男は女に会うためだけにひたすら東に向かった。騒乱の京から武蔵の玄関口小仏峠へ。不穏な陽光が照りつける街道を、闇の広がる森の中を。逃げる、求める蓮八。彼に迫るのは新撰組の刺客と幻の暗殺者・夜汐。逃げる駆ける歩む蓮八。怯えながら傷つきながら生を享受し死をみつめる。非情と憐憫の情が絡み合う夜汐の横顔。死に侍る男達の邂逅。みっともなく生きる-砂を噛むような、泥水をすするような生を重ねてきた蓮八や八穂。幕末-市井の片隅で土臭くも生を貫こうとする彼らの本音が響く。素晴らしかった!

2019/01/19

感想・レビューをもっと見る