KADOKAWA Group

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月

作家
辺見庸
出版社
KADOKAWA
発売日
2018-10-31
ISBN
9784041072271
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月 / 感想・レビュー

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starbro

図書館の新刊コーナーで見つけて読みました。久々の辺見 庸、著者は、こんな作品も書くんだというのが第一印象です。相模原市障害者施設19人殺害事件とクロスオーバーしてカオスのような小説でした。 https://book.asahi.com/article/11964940 ドッテテドッテテ、ドッテテド。ドッテテドッテテ、ドッテテド。ドッテテドッテテ、ドッテテド。ドッテテドッテテ、ドッテテド。ドッテテドッテテ、ドッテテド。ドッテテドッテテ、ドッテテド。ドッテテドッテテ、ドッテテド。ドッテテドッテテ、ドッテテド。

2019/01/09

ネギっ子gen

【無残なことが、額面通り見えないか、見えなくなっていることこそが、本当は無残なのに】相模原障害者施設殺傷事件に想を得て、“善良無害を装う”社会の裏の顔を抉り出した、魂を撃つ書。話題の映画の原作。果敢なるチャレンジをした著者に敬意を表したい。エピローグで、重い入所者・きーちゃんは想う。<なぜ、なぜ、いつまでも「在る」の状況から解放されないのか。解放されてはいけないのだろうか。在りつづけるほうが、かえってひどく空虚ではないかしらん。「在る」からの完璧な離脱>と。本書の重い問い掛けを、読む者はどう応えたら……⇒

2024/02/21

らぱん

ベッドの上の「にくのかたまり」であるきーちゃんの心の声が騙る物語だ。きーちゃんは嗅覚と聴覚で世界を捉え、他者との意思疎通はできない。詩的で哲学的な内面世界を辿っていく作業は、ひらがなの多用が読みにくさを増しているが、たどたどしい独特のリズムが幻想的な現実世界を描き出す。モチーフの使われ方がダイレクトで、やまゆり園事件が齎した強い衝撃と重い心境が甦った。物語には不可解な事象にカタチを与え腑に落とす力があると思うが、この小説はむしろ「わかったつもりになるな、考え続けよ」とストレートに言っているのだと思う。↓

2019/08/17

たまきら

「もの食う人びと」で自分の価値観を投げ散らかすような文章に胸が苦しくなって以来、この作家さんの本はちらり読みしかしたことがなかった。…今回も絶対同じ気持ちになるのがわかっているのに読み、また同じような感情に苦しんだのに、それでもこの作家さんの新刊が出るたびに手を取るのは、彼が切り取る対象が自分が何度も自分の中で消化しようとした具象だったり事件だったりするから。全く納得できない切り取り方でも、同じことをじっと観察し、調べる視線が好きだから。…でもやっぱり苦しかった…。

2021/03/13

yumiha

次々と色を塗り重ねていくような文体、マスカットグリーンの闇にかげろうが何度もよぎる景色、体も表情も動かせないきーちゃんの内的世界が豊かに広がる・・・と油断していた。後半やまゆり苑を想起させる描写に、そっか、だから「さとくん」なのかと思い当たる。見逃したり、流したり、忘れたりしながら、善人らしく日々を過ごしている者へのイタイ問題提起の本だった。マスコミ報道によれば、極悪非道な「さとくん」だが、善人らしく装って暮らしている私たちの隠してきた本音の代弁者だと思い込んでいたとは・・・。

2019/06/08

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