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ゴルディアスの結び目 (角川文庫)

ゴルディアスの結び目 (角川文庫)

ゴルディアスの結び目 (角川文庫)

作家
小松左京
出版社
KADOKAWA
発売日
2018-09-22
ISBN
9784041073261
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ゴルディアスの結び目 (角川文庫) / 感想・レビュー

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HANA

短編集。内面外面を問わず中心となっているテーマは宇宙。解説にも書かれていたけど、純文学が人の心理だけを描き、ホラーも壮大な世界観を描くのがほぼ無くなった結果、それらが矮小とは言わないけどここまで宇宙というものに正面切って対峙しているのはSFというジャンルだけではなかろうか。ただ最近のSFのいい読者でない我が身が言うのもなんだが、学問の分野としての宇宙があまりにも深化した結果、最近は宇宙自体を描いた作品が少ないようにも思えるけど。問答や老いがそのまま宇宙スケールにシフトした作品集、夢中になって読みました。

2020/07/24

ざるこ

4連作。小松作品は短編でも凄まじい。島での穏やかな暮らし、オカルトチックな憑かれた女性、幻聴のような誰かとの会話、男女が絶頂を迎える時。そんな始まりの物語が最終的には壮大な宇宙論に昇華する。理解したとは言えないけど、そこに至るまでの惹きつけられる緻密な描写は息が詰まるほどえげつない。裏切った恋人を噛み殺し、心臓を食べたマリアの意識の中に侵入する表題作は特に気味の悪さと無限に広がる意識の世界が途方もなくて恐ろしい。人類は宇宙の子供だなと思ったけど最終話の展開がまた斬新。小松氏の飽くなき探究心に脱帽です。

2020/03/09

Shun

哲学的かつ文学性の高いSF作品集でした。ここには著者曰く、<「もっとも個人的な旅」の備忘録であり、それぞれ「出発」「渦」「難破」「孤島」に関する、ほんの一行ずつのメモ>とされる4篇が収録されており、この形容を理解するには読み込みが足りないと感じています。ただ自分が生まれる前に書かれたSF作品なのに文体に古さは感じないし、超自然についての描写や哲学的な語りに目を瞠ります。特に4つ目の「あなろぐ・らゔ」で描かれる生命や自然現象を前に感じるあの美しさは、著者の眼から覗いているような臨場感が素晴らしかったです。

2019/09/20

ぐっちー

私はずっと小松左京を誤解していて読まずにいた。何、このめくるめく世界観。宇宙へと突き出た岬で詩歌と薬物と死に塗れたり、心の闇を辿るうちに目玉がグルっと反転して内面と宇宙が裏返しにひっくり返ったり。凄まじい仮想体験、ほとんど読むトリップ。100分de名著、ほんと数多くのきっかけをくれます。ところで、違うかもしれませんが乾石智子さんの紐結びの魔導師3部作はゴルディアスの結び目へのオマージュが含まれているように思いました。

2019/07/28

イツキ

どの短編もすさまじい完成度と映像が浮かんでくる緻密な描写が素晴らしかったです。壮大な宇宙観が描かれる三編もとても読みごたえがあって面白かったですが、とある島を舞台にした「岬にて」のどこまでが現実でどこまでが麻薬に酔っぱらった老人たちの妄想なのか分からなくなるとらえどころのない雰囲気が特に印象に残りました。

2019/07/18

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