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犯罪小説集 (角川文庫)

犯罪小説集 (角川文庫)

犯罪小説集 (角川文庫)

作家
吉田修一
出版社
KADOKAWA
発売日
2018-11-22
ISBN
9784041073865
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あらすじ

人間の深奥に潜む、弱く、歪んだ心。罪を犯してしまった人間と、それを取り巻く人々の哀しみを描ききった珠玉の5篇。2007年『悪人』、14年『怒り』、そして……犯罪小説の極北、遂に文庫化!

犯罪小説集 (角川文庫) / 感想・レビュー

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小説を最初に書いた人にありがとう

犯罪にまつわる短編集。一編一編、すぐに掴まれる話運びの巧みさは流石。共通点は冒頭から胸騒ぎと嫌な予感で心がざわつく感じが漂ってること。自分と関係ない世界観なはずなのにこんな経験したなとか、こんなやつ昔居たなと思わせる、細かなディテイルを描写していく巧さがすごい。「曼珠姫午睡」と「白球白蛇伝」、犯罪をした昔の同級生の人生をなぞりながら自身を振り返る主婦の話。後者はプロ野球選手のスターの転落。ありがちなストーリーを想像するが、それを超えるのとリアリティが同居できるのが吉田修一作品。最後の一頁で泣いた。

2018/12/24

かみぶくろ

実際に起きた事件を元ネタにした短編5本の犯罪小説集。事件を起こした犯罪者たちの人生や背景や環境を物語ることで、「あっち側」と思われがちな犯罪者を、我々読書と同じまな板に乗せ、他人事だと思わせない。犯罪を起こす理由は様々だが、疑心、色欲、孤独、見栄など、その発端は誰もが持っている感情に過ぎない。だからこそ、社会の一部である犯罪を一方的に断罪するのではなく、犯罪者の「人間」ぶりを追求することが必要なんだと思う。

2018/12/22

アッシュ姉

実際にあった事件を彷彿させる犯罪の背景を描いた短編集。些細な誤解の積み重ねや、つまらない見栄と欲望が次第に膨らみ、気づけば当人にもどうしようもないほど大きな問題になってしまう。犯罪者の目線で語られているわけではないのに、そこにいたるまでの経緯や心情が臨場感をともない伝染し、重くのしかかってくる。誰が何が悪かったのか、いつどこで引き返せばよかったのか。余白を残した終わり方が余韻へと繋がり、本を閉じても感情が渦巻いて静まらない。嘆息とともに吉田氏の才能に改めて感嘆。

2018/12/19

Yosshiy

実在した事件をモチーフに創作された5編からなる短編小説。全ての編でトリックも無ければスッキリと解決する事も無く、どの作品も終始モヤっとするものの著者の筆力あってこその作品だなと実感する。共通するのは、犯罪者となる人間達が始めから悪人だった訳ではなく普通に生活をしていたのに、どこで人生が狂ってしまったのかを記した作品群。来年秋に5編の中の2作品を掛け合わせ映画化が決まっています。どんな作品となるのか今から楽しみです。

2018/12/10

ピロ麻呂

実際に起こった事件をモデルにした短編集。①森のY字路で女の子が誘拐、殺害された事件②数々の男性を虜にして殺害した木嶋佳苗の事件③ボンボンの息子がカジノにハマり会社の多額の資金を横領した大王製紙事件④村八分にされた男が村人を次々と殺害した山口連続殺人事件⑤プロ野球引退後も生活レベルが落とせず借金を重ねていく清原和博の転落人生…どれもニュースで大きく取り上げられた事件を巧くアレンジされてておもしろかった!

2018/11/29

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