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蠕動で渉れ、汚泥の川を (角川文庫)

蠕動で渉れ、汚泥の川を (角川文庫)

蠕動で渉れ、汚泥の川を (角川文庫)

作家
西村賢太
出版社
KADOKAWA
発売日
2019-01-24
ISBN
9784041076460
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蠕動で渉れ、汚泥の川を (角川文庫) / 感想・レビュー

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とし

こんな青春も、存在するとあるとおりその日暮らしを繰り返す17歳が主人公の作品。日雇いや短期バイトでお金をもらうと酒や遊びに散財して、家賃も平然と踏み倒す主人公。このような自堕落的な生活から抜け出すために、洋食屋に住み込みで働く主人公。月給制で働きお金を貯めて生活をあらためようとするもいつもの性格から破綻してしまう。西村さんの作品は私小説であり、本作品も自身をモデルにしているところもあると思われますが、いろいろと笑いありの話でした。深刻な話でありますが、ユーモラスであり逞しく憎らしい主人公が面白かったです。

2019/02/13

桜もち 太郎

17歳の北町貫多、いやぁ~、今回も貫多のクズっぷりにはまいった。この貫多の愚かさが憎めない、いや許せてしまうのは貫多は作者自身だからだ(私小説)。「自分は青春の落伍者になりつつあるが、しかしながら、まだ人生の落伍者には至っていないのだ」と嘯く彼の心中は侮れない。自身を「プライドが高く、スタイリスト」といい、「敵前逃亡体質」だともいう。「根が貴族風」で「無意味嘘つき体質」ともいう。「ストイック看板のローンウルフ」を自任する貫多。どれもこれも当てはまるが、やっぱり自意識過剰のクズ男ってのが似合っている。→

2023/08/01

ミサ

洋食屋で住み込みで働くようになった貫太。日雇い暮らしから月給生活になったものの、このまま順調に行くはずがない。仕事に充実感や達成感を見いだす反面、もともとの怠惰な性格があらわになってきて…。もどかしいぐらい不器用な貫太を虚しくも応援してしまう。

2022/08/26

澤水月

「いわゆる、セブンティーンというやつなのである」。飲食店に押しかけ寄宿。“根がストイック看板のローンウルフ”と我を通す貫多、滅茶だが何度も若さ誇る。友も彼女もない無聊を“なめくじ長屋”都筑道夫、小栗虫太郎に高木彬光らの古本で紛らし贅沢の象徴が大坪砂男のゾッキ本買う姿に眩しさも。「10年も経ったら、此奴らは行政に面倒をかけながらの骨壷行き」や「黙れ、遠国者!」…からの罵倒半pは爆笑。料理の描写本書は美味そうでタマネギのチャッパー、肉塊からのひき肉作りとハンバーグ成形食欲そそる。缶ウインナー好きはここからか

2023/02/15

ぽち

北町貫多。十七歳。長編第二作。洋食屋にて弁当の配達など。過去作と記述が重複する箇所も多々あるが中だるみすることなし、起伏あまりないが読ませる。後年ならば最後の爆発は描かなかっただろうか?

2022/05/17

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