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孤篷のひと (角川文庫)

孤篷のひと (角川文庫)

孤篷のひと (角川文庫)

作家
葉室麟
出版社
KADOKAWA
発売日
2019-08-23
ISBN
9784041080436
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孤篷のひと (角川文庫) / 感想・レビュー

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のり

千利休・古田織部を師と仰ぎ、茶の道を邁進する「小堀遠州」。世の流れもあるが稀代の二人とはまた別の志で名だたる権力者を魅了する事に。政を左右するくらいの地位にもあたるが、遠州は泰平の世を願った。諸説はあるが利休も織部も我が強すぎた。激動の乱世を生き抜く者の術だったかも知れないが…世渡りといっては語弊がある遠州は名だたる者から心から信頼されていたと思う。

2019/09/29

みやび

小堀遠州と言えば作庭家のイメージが強いのですが、千利休・古田織部を師として名を馳せた茶人でもありました。その遠州が、茶を通して人の心のあり方や生き方を見つめ、利休や織部とは違った茶の道を築いていく様が、静かに描かれていきます。藤堂高虎や伊達政宗などとも顔を合わせた遠州の茶には、戦国から江戸に生きた人々の心が宿っているように思う。小堀遠州の茶は「武士の茶」だと紅茶教室で少し習いましたが、その意味が解ったような気がしました。全体的に静謐で穏やかな文体が、遠州の生き様によく合っていて心に沁みます。

2020/02/02

niisun

小堀遠州は大学時代に“庭園史”の授業で詳しく学びました。当時所属していた日本庭園研究会の京都合宿では、この作品にも登場する南禅寺の方丈庭園、金地院、桂離宮などをじっくりと巡りました。ただその頃覚えたのは名前と庭の特徴くらい。その後の出会いは漫画『へうげもの』。織部自刃までの時代ですが、作介(幼名)が個性豊かに描かれていて、私の中ではその印象で固まってしまいました。葉室麟版の小堀は、静かな佇まいを見せつつも、豪傑な武将達や老獪な公家衆相手に“生きるもののための茶”で見事に渡り合った好人物として描かれてます。

2019/10/28

Kiyoshi Utsugi

戦国時代の終わりに生まれ、特に江戸時代初期に茶人、建築家、作庭家として活躍した小堀遠州(政一)を主人公としたものです。 千利休、古田織部と並ぶ茶人ですが、泰平の茶を目指したところが、千利休、古田織部とは異なります。 千利休の高弟である利休七哲の一人が古田織部で、その古田織部の弟子が小堀遠州になるようです。 生まれた時代が少し遅かったため、そのようになったのだと思います。 石田三成、藤堂高虎、伊達政宗などとのやり取りか新鮮でした。 ちなみに小堀遠州の墓は大徳寺の塔頭 孤篷庵(こほうあん)にあるようです。

2020/01/02

Y.yamabuki

題名は小堀遠州の造った「孤蓬庵」から、最終章の「忘筌」はその中の茶室。晩年の遠州が、近しい人にそれまで交わった人とのエピソードを語る。茶人から大名、皇族までと幅広い。茶の湯を通して、或いは作事奉行としての作庭の折に。それらを通して描かれる遠州は、尖った個性の千利休や古田織部とは異なり、争い事を好まない穏和な茶人だったようだ。戦国時代から徳川の世という平和な時代に移っていく時、彼の様なコーディネーター的な人が必要とされたのかもしれない。当時茶の湯や茶道具が、政治的意味を持っていたのも興味深い。

2019/10/29

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