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デッドウォーター (角川文庫)

デッドウォーター (角川文庫)

デッドウォーター (角川文庫)

作家
永瀬隼介
出版社
KADOKAWA
発売日
2019-08-23
ISBN
9784041081969
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「デッドウォーター (角川文庫)」のおすすめレビュー

世間に衝撃を与えた獄中の強姦殺人犯。塀に守られた奴に復讐することは可能なのか?

『デッドウォーター』(永瀬隼介/KADOKAWA)

 今から27年前に発生し、日本中を震撼させた「市川一家4人殺人事件」を覚えているだろうか。この事件では、当時19歳の少年が1カ月前に強姦した少女宅へ強盗目的で押し入り、少女を除く家族4人を次々と絞殺、刺殺。唯一助かった少女も長時間の監禁と強姦を受けたという非常に忌まわしい事件だ。

 その殺人犯の素顔と本心に目を向けたのが、作家・永瀬隼介だった。彼は死刑判決が下った少年に面会。生い立ちから最高裁判決までを追い続け、『19歳 一家四人惨殺犯の告白』(KADOKAWA)を発刊した。

『デッドウォーター』(永瀬隼介/KADOKAWA)は、そのノンフィクション作品から派生したミステリー小説。世間に衝撃を与えた殺人犯と実際に面会し取材を試みた永瀬氏でなければ生み出せなかった1冊だといえる。

■拘置所の殺人犯に“死の恐怖”を味わわせる復讐がしたい…

 本書の物語のキーパーソンは、18歳で5人の女性を強姦し死刑判決を受けた連続強姦殺人鬼・穂積壱郎。事件専門のフリーライター・加瀬隆史は、拘置所で最高裁判決を待つ穂積に接触…

2019/9/15

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デッドウォーター (角川文庫) / 感想・レビュー

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GAKU

初読みの作家さん。全体的には私好みで面白く読めたが、要所要所で残念な点も。まずは死刑囚穂積の存在感、インパクトが今一。このような理由で5人も強姦殺人を犯す人物になる?そしてクライマックスの洗脳から解ける場面も、こんな事がきっかけで?またライターの加瀬、ボクサーの村岡、看守の白井、警察官の成田達がどう繋がって行くのかといったところも、ラストは都合良いように畳み掛けた感も。現在図書館に予約中の作者の代表ノンフィクション「19歳 一家四人惨殺犯の告白」には期待したい。

2021/12/15

のりすけ

鬼畜とも思える犯人の心のよりどころ「至高」。犯人とジャーナリストと至高との関連性が気になって前半はもたついたものの、後半は一気読み。「俺様へっちゃらだぜ」とうそぶいてた犯人が、やらかしたことと同じくらい、いやそれ以上に奈落の底に落とされればいいのに‼」と思ってしまった。

2020/03/14

Katsuto Yoshinaga

事件記者「加瀬」、半グレから足を洗おうとする「亮輔」、亮輔の転向を認めない「政春」、そして18歳で5人の強姦致死により獄につながれる「穂積」を軸に、終盤まで重苦しいまま物語は進む。大下某を批判するかのような事件記者の矜持、ドラゴンを彷彿させる半グレと反社会勢力描写、拘置所と刑務官の日常と心理、著者が造型したサイコキラーの心性といったモチーフが濃密に詰め込まれ、400頁超の長編ながら息継ぎとなる章立てがない!私は結構しんどく感じさせられながらも、とにかく読まされた。(コメに続く)

2019/09/07

chikap610

緻密だし、ロケハンもしっかりしていましたが、ちょっと厳しかった。感情移入もしきれなかった。隼ちゃん、突き詰めようとし過ぎてしまったようだね。

2020/04/06

村山トカレフ

本作の前に同一著者の作品である、「19歳 一家四人惨殺犯の告白」を読了。時系列的には正しい読み順なのだが、本作を先に読んだほうがよかったかも。「事実は小説より奇なり」とはよくいったもので、ノンフィクションである「19歳―」の持つ禍々しさ生々しさには到底及ばぬ筆致。変に力が入っていて気負いすぎで尺(頁)のわりに内容薄し。各人のキャラ描写が中途すぎる。獄中外、どの人物にも共鳴も畏怖もできなかった。あと、ちらちらと著者の「思想」が掠めるのもいただけない。南京とアウシュビッツを同列で語るなんざ正気じゃあないぜ!w

2020/06/30

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