KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

東京の幽霊事件 封印された裏歴史

東京の幽霊事件 封印された裏歴史

東京の幽霊事件 封印された裏歴史

作家
小池壮彦
出版社
KADOKAWA
発売日
2019-06-28
ISBN
9784041081976
amazonで購入する Kindle版を購入する

「東京の幽霊事件 封印された裏歴史」のおすすめレビュー

昭和32年の谷中霊園で起きた全焼事件は、心中ではなかった!? オリンピック前に読んでもらいたい東京の裏歴史

『東京の幽霊事件 封印された裏歴史』(小池壮彦/KADOKAWA)

 夏といえば、海や花火、かき氷にキャンプもいいけれど、外せないのはやっぱり怪談! そんな人にぜひ読んでほしいのが、『東京の幽霊事件 封印された裏歴史』(小池壮彦/KADOKAWA)。怪談専門誌『幽』(KADOKAWA)に15年間連載された「日本の幽霊事件」をまとめた、怪奇ノンフィクションの決定版だ。

 本書は、怪奇現象が発生するという東京とその近郊の17の土地について、著者が実際にそこを訪れ、その怪異の“来し方”を探ってゆくという構成になっている。たとえば、冒頭で取り上げられる谷中霊園については、こんな具合だ。

 かつて谷中霊園には、五重塔が建っていた。幸田露伴の小説のモデルにもなった文化財だが、昭和32年に不審火で全焼した。その焼け跡から男女の焼死体が見つかったため、警察はこの火災を心中と断定したが、著者が墓地の公園で出会った老人によると、「あの塔が焼けた原因は、心中ではない」。実は、第三の人物による殺人ならびに放火、および死体遺棄事件だというのである。

 かくして著者は、この“火焔…

2019/7/1

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

東京の幽霊事件 封印された裏歴史 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

パトラッシュ

学生時代に帝銀椎名町支店や阿部定事件の料亭跡、円通寺の吉展ちゃん地蔵など東京の有名な事件現場を歩いたことがある。霊感ゼロ人間なので特に何も感じなかったが、現地で長く住む人には否応なく当時の記憶が澱のように離れないのだろう。そんな「何かが出る」と言われ続けた土地の民間伝承を掘り起こした本書には、世には知られていないが思いがけぬ事件で命を奪われた家族や友人知人の思い出を、簡単に消し去りたくない住民の思いが詰まっている。合理主義では解釈できない「平地人を戦慄させる」物語の種は、東京のど真ん中にも残っているのだ。

2023/05/03

へくとぱすかる

怪異は、言い伝えられているうちに、何が真相であったかが、どうかすると忘れられてしまう。徹底した調査によって、著者は話の原型に近づき、隠れた歴史を復元しようと試みる。科学的なネタばらしではないので、怖さをそのまま維持しつつ読み終える。文章に学問的な嫌みがないので理解しやすく、メインの歴史には書かれていない、東京の過去を見た思いがする。造本もいい。

2019/08/29

HANA

関東大震災や東京大空襲、今度またオリンピックでその姿を変えるであろう東京であるが、少し地面を掘り返せば過去がべったりとくっ付いてくる。本書はそんな東京の過去を旅する一冊。範囲も江戸時代のお玉ヶ池から最近起こった事件まで幅広い。とはいえ幽霊事件のタイトル通り、一番精彩を持って語られるのは怪談に関する事件。特に「赤飯怪談」は巷説に興味を持つものとしては避けては通れず、ラブホの幽霊話も背景同様妙ないかがわしさを持っていて忘れがたい。行った事の無い土地も多いが、現実と幻想の東京が二重写しになるような一冊でした。

2019/09/21

かおりんご

ホラー。とても緻密に、その場所が何故心霊スポットと呼ばれる禍々しい場所になったのかを、歴史から紐解いていく話。体験談を期待していたら、事実考証がメインな感じだったので、さらさらと読む。一つだけ納得したのは、観音崎のこと。以前、ひとりで散策したときに、すごーく嫌な気分になったのだけれど、なって当たり前だったんだなぁと、この本を読んで思った。私の第六感は正しかったようです。

2020/06/20

たまご

はじめなかなか読み進まなかったのですが,Aiさんの「怪奇なブラタモリ」という言葉を読んで切り替えができたのか,比較的スムーズに.今でも残っているところ,もうなくなってしまったところ.再開発でどんどん変わっていく街並みに,江戸,それ以前からの言い伝えが,でもひそかに残っている.そして,今現在も新たな淀みがうまれていく.そんな土地の凝りを感じました.

2023/10/07

感想・レビューをもっと見る